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2021/11/19

受賞

【受賞】薬剤学分野 博士前期課程1年 山田めゐ氏が第140回日本薬理学会近畿部会にて優秀発表賞を受賞しました。

【学会名】第140回日本薬理学会近畿部会
【受賞演題】新規選択的VPAC2受容体アンタゴニストペプチドの創製とその中枢薬理作用
【賞名】優秀発表賞
【受賞者】山田 めゐ(薬剤学分野 博士前期課程1年)

血管作動性腸管ペプチド(VIP)ならびに下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチド(PACAP)の受容体の一つであるVPAC2受容体は、臨床ならびに基礎研究から、その遺伝子重複が統合失調症や自閉スペクトラム症と強く関連することが示されており、本受容体を阻害する物質は精神疾患の新たな治療薬となる可能性が考えられます。しかし、VPAC2受容体はセクレチン受容体ファミリーが属するクラスB Gタンパク質共役型受容体に分類されており、またVIPやPACAPは他の受容体サブタイプであるVPAC1やPAC1受容体にも結合するため、立体構造の類似性等の問題から、VPAC2受容体選択的な低分子化合物の開発は難航していました。本研究では、既知のVPAC2受容体リガンドの配列やVPAC2受容体の細胞外ドメインの構造、VIPのC末端構造、そしてVIPとVPAC1受容体の複合体構造モデル等の情報を用いて、新規のVPAC2受容体アンタゴニストペプチドKS-133を創製しました。KS-133がVPAC2受容体に対して高い選択性と阻害活性を有すること、そしてVPAC2受容体の過活性化に起因する統合失調症のモデル動物において認知機能障害の発症を抑制することを示しました。本研究の成果は、統合失調症の治療薬開発のための新しい道筋を示すと同時に、本化合物を用いることで、VPAC2受容体の新たな役割の発見にもつながるものと高く評価され、受賞に至りました。