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研究者からのメッセージ

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神経薬理学分野 教授
橋本 均

現在の研究内容/展望

神経・精神疾患の発症メカニズムは未だほとんど不明であり、多くの患者さんが新薬の開発を待っています。神経薬理学分野では、脳にあるすべての細胞を高速にイメージングし、疾患モデルマウスと正常マウスの間で定量的に比較する革新的な解析技術を開発しました。この技術により、疾患モデル動物や薬物を投与した動物の全脳領域における全神経細胞の活動を一気に調べることが可能になります。神経・精神疾患の病態が分子細胞生物学的に解明され、創薬に向けた研究が飛躍的に発展し、患者さんのもとに画期的な薬が届くことを夢見ています。


現在の研究をしようと思ったきっかけ

脳全体を細胞レベルの精細さで観察することは、「木を見て、森も見る」に例えられ、脳そのものと疾患の解明にはその両方が必要です。しかしこの作業は非常に長時間が必要でした。そこで私たちは、新しい観察技術の開発に取り組み、これまでに最短2時間半でマウスの全脳領域を精細に撮影することに成功しています。また得られる画像をもとに、機械学習を用いた解析を行っています。今後も、幅広い分野の技術を取り入れながら、ライフサイエンスにおける心理の探求に挑戦していきたいと考えています。


薬学研究の面白み(または 阪大薬学で研究する理由、利点 学生のみなさんへ)

ライフサイエンスは、チャレンジングな課題を抱えつつも、その困難さゆえに非常に遣り甲斐がある領域です。サイエンスを進めるうえで重要なことの一つは、人と人との連携であると思います。生命や病気のメカニズムを解明し、新しい治療薬・治療法を開発するという難題に挑戦するためには、一人ひとりの努力に加え、バックグランドが異なる研究者のチームプレーが欠かせません。阪大薬学では、このような視点と能力をもち、グローバルに活躍する人材の育成を目指しています。

細胞生理学分野 教授
辻川 和丈

現在の研究内容/展望

がんはわが国の死亡者数のトップを占める疾患です。このがんに対する薬の創製研究では、がんの特性を遺伝子、細胞や個体レベルで探る必要があります。そのために、がん臨床医と連携し、がん患者様の協力を得て、私の研究室のメンバーが一丸となってがんの特性を探る研究を展開しています。その中でがん細胞のRNA修飾異常に関わる2つの新しい酵素遺伝子を世界で最初に発見し、エピトランスクリプトミクスという新たな研究領域の創生にも繋がりました。現在、それら酵素の機能全解明とともに、その酵素活性を抑制できる化合物の創製にも取り組んでいます。このようながんの革新的治療薬の創製研究により、成果を臨床に繋げることを目指しています。


阪大薬学で研究する理由、利点

阪大薬学では、生命薬学や医療・衛生薬学、化学薬学の各領域の研究者が連携し、最新の研究設備や機器の利用により最先端の研究が展開できます。さらに創薬研究では、化合物ライブラリー・スクリーニングセンターと創薬センターが連動して、疾患標的分子の探索、アカデミアでは最大規模の化合物ライブラリーを用いたハイスループットスクリーニング、薬の種となる化合物から創薬化学の力で最適化合成展開、動物レベルでの体内動態や安全性評価により医薬品候補化合物へと磨きあげる知識と技術が蓄積されています。これらが、わが国屈指のアカデミア創薬拠点である阪大薬学で研究する理由です。


学生のみなさんへ

薬には病気の発症や進展を予防し、病気による苦痛を和らげる、さらには生命の危機を救う力があります。この薬に関わる多義にわたる領域を総合的に科学する学問が薬学です。そして薬学における研究では、興味を持って実験して得られた自らの研究により、生命の理を解き明かし、疾患の原因を探り、さらには多くの患者さんを助けることを可能とする創薬を行うことができます。阪大薬学は、最先端の薬学研究に挑んでいきたい、また患者さんを助ける創薬を行ってみたいと夢見る学生の皆さんを待っています。

生物有機化学分野 教授
小比賀 聡

現在の研究内容/展望

私たちは「核酸医薬品」の開発研究を行っています。核酸医薬品とは、病気の原因となる遺伝子由来のRNAに直接作用して、その働きを制御する人工的な核酸分子です。これまでの薬とは分子構造や作用メカニズムが大きく異なっており、病気の原因となる遺伝子の配列がわかれば比較的短期間で薬の開発が可能であること、今まで治療薬がなかった難病の治療につながる可能性があることなどから世界的にも大いに期待されています。情報科学や有機化学を駆使して核酸医薬品の設計・合成を行い、ヒト細胞やモデル動物に対する有効性・安全性の評価を重ね、よりよい医薬品の創製を目指し研究を行っています。現在治療法がなく苦しんでおられる患者さんに希望の灯を届けたい、それが私たちの願いです。


薬学研究の面白み

薬を作り出すということは簡単なことではありません。画期的新薬というものは、一朝一夕に生み出されるものではなく、物理、化学、生物などの知識を最大限に駆使して一つ一つ課題を解決していく地道なプロセスが欠かせません。なかなか研究成果が出ず、試行錯誤を重ねる日々が続くこともしばしばです。しかし、私たちには揺らぎのない目標があり、互いに切磋琢磨し高めあえる仲間がいます。志を同じくする仲間とともに、目標に一歩ずつ近づいていることを実感できることは大きな喜びです。私たちの研究室のベンチ(実験台)は、世界の研究者とつながり、そして患者さんのベッドサイドにつながっているということを忘れることなく、日々楽しみながら研究を行なっています。


学生のみなさんへ

若いうちに自分の「目標」あるいは「夢」をしっかり持ってほしい、それが私からみなさんへのメッセージです。「夢」は大きければ大きいほど良いのです。自分の人生をかけてもよいと思えるくらいの大きな「目標」、「夢」を持ちましょう。もちろん、大学は「目標」や「夢」を探す場でもありますが、みなさんには大学を「夢」を叶えるための「学び」の場にしてほしいと思います。