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2022/03/25

神経薬理学分野(医療・衛生薬学領域)

ストレスによって不安が生じる新しい神経メカニズムを発見 脳とココロのしくみの解明に期待

神経薬理学分野 丹生光咲大学院生、笠井淳司准教授

ストレスに対する脳の反応は、安全や生存のための適切な行動選択にとても重要です。しかし、過度なストレスや繰り返されるストレスは、不安障害やうつ病などこころの病気を引き起こす場合があります。しかし、ストレスによって不安やうつなどの症状がどのように生み出されるのかについては、分かっていませんでした。
今回、丹生光咲大学院生、笠井淳司准教授らのグループは、ストレス負荷した脳にある全ての神経細胞の活性化を機械学習によって解析し、ストレス応答には前障という脳領域の活性化がもっとも特徴的であることを見出しました。ストレスに応答して活性化するのは前障の一部の細胞だけであり、この細胞集団を化学遺伝学的や光遺伝学の技術を用いて活性化させると不安様行動が生じ、逆に抑制するとストレス後の不安様行動が抑制されることを見出しました。さらに、ストレスを繰り返して受けるときに前障の神経活動を抑制すると、その後のうつ様行動の発現も抑えられることを明らかにしました。
本研究成果は、米国科学誌「Science Advances」(オンライン)に2022年3月19日(土)午前3時(日本時間)に公開されました。
なお本研究は、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)、日本学術振興会、文部科学省、科学技術振興機構(JST)、持田記念医学薬学振興財団、蓬庵社、および武田科学振興財団の支援を受けて行われました。