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2023/06/27
生体構造機能分析学分野(化学薬学領域)
光活性化二酸化塩素を用いたプラスチックの新たな抗菌修飾法を開発 高分子材料の抗菌加工を簡便に
山本敬太大学院生、淺原時泰准教授、原田和生准教授、井上豪教授と先導的学際研究機構の大久保敬教授、板橋勇輝特任助教らのグループは光で活性化させた二酸化塩素を作用させる独自の樹脂改質法を用いることでポリプロピレン(PP)不織布に対して抗菌性を付与できることを見出しました。
PP不織布はマスクなどに用いられる汎用素材であるものの、疎水性で反応性に乏しく、従来の抗菌修飾法を適用することが困難でした。それに対し、本抗菌修飾法を用いることで、PP不織布に対して1段階の処理で99.9%以上の高い抗菌活性を付与することができます。本改質法は様々な樹脂に適用できることから、今後医療、衛生分野での更なる応用が期待されます。
研究成果は、英国科学誌の「Journal of Materials Chemistry B 」に2023年5月11日(オンライン公開)に掲載され、Inside Front Coverとして採用されました。
なお本研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、日本学術振興会、および科学技術振興機構(JST)の支援を受けて行われました。
雑誌名: Journal of Materials Chemistry B
論文名: One-step antibacterial modification of polypropylene nonwoven fabrics via oxidation using photo-activated chlorine dioxide radicals
著者:Keita Yamamoto, Haruyasu Asahara, Kazuo Harada, Yuki Itabashi, Kei Ohkubo, Tsuyoshi Inoue