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附属実践薬学教育研究センター
地域医療教育研究ユニット

村岡 未彩特任講師(常勤)

薬学が社会で果たす役割を学び、薬学部で学ぶ意義や学んだことを社会に還元する術を考える機会となる「薬学入門」や、「薬局実習」を通じて、低学年から高学年まで継続して自ら考え自ら学ぶ人材育成に努めています。
また、人々の健康維持・促進に貢献することを目的として、抗酸化物質の研究を行っています。生物においては、呼吸によって体内に取り込んだ酸素の一部から活性酸素が発生しており、過剰な活性酸素は様々な障害を引き起こします。活性酸素に対して生物が獲得した防御機構の一つである抗酸化物質の生産系構築や生理機能の解明に取り組んでいます。

研究テーマ

γグルタミルシステインの生産系構築

グルタチオン(GSH)は、生体内の酸化ストレス防御や異物除去に重要な役割を果たしています。しかし、老化の進行や慢性疾患により細胞内GSHレベルが低下すると、こういった役割が十分に果たせなくなります。GSHレベルの低下を防ぎ、老化や慢性疾患の進行を緩やかにするためには、 GSHレベルを正常に維持することが有効だと考えられますが、GSHを投与しても直接細胞内に取り込まれ難いことから、効果的にGSHレベルを維持する新たな方法が必要となります。最近、GSHの生合成前駆体であるγグルタミルシステイン(γEC)の投与によりGSHレベルが上昇し、認知症の改善や神経細胞の保護が示されることが報告され、老化や慢性疾患の緩和作用が期待されます。γECは、GSHに比べて非常に高価であり機能性食品として利用が難しいことから、我々が発見したGSHをγECへ変換する新規酵素を利用したγECの安価な生産系の構築に取り組んでいます。

γグルタミルシステインの生理機能解析

γECの投与によりGSHレベルが上昇し、認知症の改善や神経細胞の保護が示されることが報告され、老化や慢性疾患の緩和作用が期待される一方、その詳細な生理機能については報告が少なく、十分に解明されていません。そこで、GSH代謝酵素との反応性の解析や機能解析に取り組んでいます。

代表的な業績

Reactivity of γ‐glutamyl‐cysteine with intracellular and extracellular glutathione metabolic enzymes
Misa Muraoka, Saki Yoshida, Moeka Ohno, Hideyuki Matsuura, Kazuya Nagano, Yoshihiko Hirata, Masayoshi Arai, Kazumasa Hirata
FEBS Letters 596(2):180-188.2022

Optimization of Reaction Conditions for γ-Glutamylcysteine Production from Glutathione Using a Phytochelatin Synthase-Like Enzyme from Nostoc sp. Pasteur Culture Collection 7120
Misa Muraoka, Moeka Ohno, Makoto Tateishi, Hideyuki Matsuura, Kazuya Nagano, Yoshihiko Hirata, Kazumasa Hirata
Biological and Pharmaceutical Bulletin 44(12) 1832-1836. 2021