概要

研究と設備

教育と学生生活

受験生の方へ(学部/大学院)

Research / Equipment

研究と設備

HOME

研究と設備

研究者紹介

研究者紹介

<戻る

医薬品・医療機器規制科学分野(医療・衛生薬学領域)

近藤 昌夫教授

神奈川県生まれ。阪大薬卒。徳島文理大、昭和薬科大学、厚労省等を経て、平成30年4月より現職。
現在の趣味は、ジョギング、料理、宝塚観劇。
「レギュレーションを制する者はイノベーションを制する*」をモットーに、本邦独自の生体バリアの生物学等に育まれた本邦初の健康・医療イノベーションにチャレンジしている大学人です**。
*日下部哲也, ファルマシア, 54, 798, 2018
**近藤昌夫, ビオフィリア, 36, 6-12, 2021

研究テーマ

生体バリアに着目した疾患診断技術の開発、及び薬事レギュレーション等への展開

単細胞生物から多細胞生物へと進化する過程において、生物は生体内外および組織内外を隔てるバリアを獲得しています。この生体バリアの乱れは、神経変性疾患、炎症性腸疾患、肺疾患、腎疾患、皮膚疾患等で共通して観察される現象です。このテーマでは、生体バリアの乱れを指標にした新たな診断技術の開発を通じて、臨床開発の加速や医薬品等の適正使用への貢献を目指しています。

血液脳関門バリア等に着目した脳部位特異的薬物送達技術の開発、及び薬事レギュレーション等への展開

認知症や精神疾患等の中枢神経疾患は増加の一途を辿っていますが、未だ有効性と安全性を兼ね備えた治療薬の開発は立ち遅れています。この原因の一つに、血中から脳内への薬の移行性の低さがあります。脳では他の臓器に比べて血管のバリア機能が発達しており、このことが薬の脳内送達を困難にしています。このテーマでは、脳内に薬を安全に運ぶ技術の開発を通じて、中枢神経疾患治療薬の臨床開発や適正使用への貢献を目指しています。

皮膚・粘膜バリアに着目した非侵襲性投与技術・リスク評価系の開発、及び薬事レギュレーション等への展開

次世代医薬品として、核酸・ペプチド・mRNA・機能性抗体医薬等の開発が加速しています。これら次世代医薬品の多くは注射による投与を余儀なくされているのが現状です。この原因の一つに、皮膚や腸管からの吸収性の低さがあります。このテーマでは、皮膚や腸管のバリアを制御する技術やバリア機能の評価技術の開発を通じて、患者フレンドリーな次世代医薬品の臨床開発や適正使用への貢献を目指しています。

革新的創薬マテリアルのレギュラトリーサイエンス

ウエラブルデバイス等から得られた電子的なデータや要時生成型亜塩素酸イオン等の革新的創薬マテリアルの開発が加速しており、医薬品概念のパラダイムシフトが生じています。これらの革新的創薬マテリアルを創薬に活用するためには、安全かつ有効にマテリアルを利活用することが必要です。このテーマでは、革新的創薬マテリアルの品質・安全性・有効性評価技術の開発等を通じて、健康・医療イノベーションへの貢献を目指しています。

代表的な業績

データ等の通信機能を有する医療機器開発における相互運用性確保のための基本的考え方(公表準備中)

URL:

Tachibana, K.; Hashimoto, Y.; Shirakura, K.; Okada, Y.; Hirayama, R.; Iwashita, Y.; Nishino, I.; Ago, Y.; Takeda, H.; Kuniyasu, H.; Kondoh, M. Safety and efficacy of an anti-claudin-5 monoclonal antibody to increase blood–brain barrier permeability for drug delivery to the brain in a non-human primate. J Control Release, 2021, 336, 105-111.

Castro Dias, M.; Quesada, A.O.; Soldati, S.; Boesch, F.; Gruber, I.; Hildbrand, T.; Soenmez, D.; Khire, T.; Witz, G.; McGrath, J.L.; Piontek, J.; Kondoh, M.; Deutsch, U.; Zuber, B.; Engelhardt, B. Brain endothelial tricellular junctions as novel sites for T-cell diapedesis across the blood-brain barrier. J Cell Sci, 2021, 134, jcs253880.

Matsushita, S.; Tachibana, K.; Kusakabe, T.; Hirayama, R.; Tsutsumi, Y.; Kondoh, M. Overview of the pre- and post-marketing requirements for drugs granted Japanese conditional marketing approval. Clin Transl Sci, 2021, 14, 806-811.

Kohno, T.; Konno T.; Kikuchi, S.; Kondoh, M.; Kojima, T. Translocation of LSR from tricellular corners causes macropinocytosis at cell-cell interface as a trigger for breaking out of contact inhibition. FASEB J, 2021, 35, e21742.

Ohwada, K.; Knno, T.; Kohno, T.; Nakano, M.; Ohkuni, T.; Miyata, R.; Kanuki, T.; Kondoh, M.; Takano, K.; Kojima, T. Effects of HMGB1 on tricellular tight junctions via TGF-β signaling in human nasal epithelial cells. Int J Mol Sci, 2021, 22, 8390.

Shimizu, Y.; Shinoda, T.; Shirasago, Y.; Kondoh, M.; Shinya, N.; Harada, K.; Yagi, K.; Suzuki, T.; Wakita, T.; Kimura-Someya, T.; Shirouz, M.; Fukasawa, M. Occludin-binding single-chain variable fragment and antigen-binding fragment antibodies prevent hepatitis C virus infection. FEBS Lett, 2021, 595, 220-229.

Takamura, K.; Tachibana, K.; Kusakabe, T.; Nakai, K.; Tsutsumi, Y.; Kondoh, M. New Japanese Regulatory Frameworks for Post-marketing Management of Pharmaceutical Products. Pharm Res, 2020, 37, 122.

Ota, N.; Tachibana, K.; Kusakabe, T.; Sanada, S.; Kondoh, M. A concept for a Japanese regulatory framework for emerging medical devices with frequently modified behavior. Clin Transl Sci, 2020, 13, 877-879.

Matsushita, S.; Tachibana, K.; Kusakabe, T.; Hirayama, R.; Tsutsumi, Y.; Kondoh, M. The roadmap to approval under Japan’s two track regulatory system: comparing six regenerative medical products. Cell Stem Cell, 2020, 27, 515-518.