Research / Equipment
研究と設備
研究者紹介
細胞生理学分野（生命薬学領域）
辻川 和丈教授
1984 大阪大学大学院薬学研究科 博士前期課程修了
1984 藤沢薬品工業株式会社 研究員
1988 大阪大学薬学部 助手
1989 大阪大学 薬学博士
1993 ハーバード大学ダナ・ファーバー癌研究所 研究員
2006 大阪大学薬学研究科 准教授
2012～ 大阪大学薬学研究科 教授
2016～ 大阪大学薬学研究科 創薬センター構造展開ユニット長
2017～ 大阪大学薬学研究科 化合物ライブラリー・スクリーニン
グセンター長
研究テーマ
発生、成長から老化におけるエピトランスクリプトミクスの機能解明
個体の発生から老化に至る過程において、DNAの後天的修飾（エピジェネティクス）制御とともに、RNAの後天的修飾（エピトランスクリプトミクス）のダイナミックな変化と、それに続くタンパク質の翻訳制御機構が巧妙に機能していると考えられる。本研究では、RNA修飾の時空間・網羅的変動解析と機能解明により、生命の理を探る。
革新的がん治療創薬
がん術後臨床検体由来初代培養細胞やマウス移植腫瘍を用いて、がんの発症や悪性化に関わる分子を探る。さらにその分子の機能を制御できる低分子化合物をAI等を駆使して見出し、がんの革新的治療創薬を展開する。
AlkB homolog (ALKBH)ファミリー分子のがんにおける機能解析
ALKBHファミリー分子は、大腸菌タンパク質AlkBと類似するドメインを有するヒトタンパク質である。当分野では世界で最初にこのヒトファミリー分子を同定し、さらにがんにおいて特徴的高発現をしていることも明らかとした。さらにALKBHファミリー分子はRNA塩基の修飾制御を触媒する酵素活性も有することを突き止めている。このALKBHファミリー分子の着目し、がん細胞における機能解明を目指している。
がん細胞外小胞の機能解明と抗がん細胞外小胞抗体の創製
がん細胞は、特徴的なRNAやタンパク質を内包した小胞（細胞外小胞）を細胞外に放出している。この細胞外小胞は、がん細胞の増殖や遠隔転移、さらには免疫系をがん優位に制御していることが明らかになってきた。がん術後検体を活用してその全貌を明らかにするとともに、がん細胞外小胞特異的ヒト抗体を創製することにより、がんの抗体医薬への応用を目指す。
代表的な業績
ALKBH4 promotes tumourigenesis with a poor prognosis in non-small-cell lung cancer
Sci Rep., 2021, 11(1):8677.
Development of a highly sensitive method for the quantitative analysis of modified nucleosides using UHPLC-UniSpray-MS/MS
J Pharm Biomed Anal., 2021, 197:113943.
Azurocidin is loaded into small extracellular vesicles via its N-linked glycosylation and promotes intravasation of renal cell carcinoma cells
FEBS Lett., 2021, 595(19):2522-2532.
Pharmacological Inhibition of miR-130 family suppresses bladder tumor growth by targeting various oncogenic pathways via PTPN1
Int J Mol Sci., 2021, 22(9):4751.
Cancer type‑SLCO1B3 promotes epithelial‑mesenchymal transition resulting in the tumour progression of non‑small cell lung cancer
Oncol Rep., 2021, 45(1):309-316.
Gut microbiota-derived short-chain fatty acids promote prostate cancer growth via IGF1 signaling
Cancer Res., 2021, 81(15):4014-4026.
The CGRP receptor component RAMP1 links sensory innervation with YAP activity in the regenerating liver
FASEB J., 2020, 34(6):8125-8138.
RAMP1 signaling in immune cells regulates inflammation-associated lymphangiogenesis
Lab Invest., 2020, 100(5):738-750.
MicroRNA-92b-3p is a prognostic oncomiR that targets TSC1 in clear cell renal cell carcinoma
Cancer Sci., 2020, 111(4):1146-1155.
Calcitonin Gene-Related Peptide Negatively Regulates Alarmin-Driven Type 2 Innate Lymphoid Cell Responses
Immunity., 2019, 51(4):709-723.e6.
