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2022/05/13
受賞
【受賞】薬品製造化学分野 博士課程2年 森山将吾氏が日本薬学会第142年会にて学生優秀発表賞を受賞しました。
重水素(D)は、水素(H)の非放射性の安定同位体です。有機分子のC-H結合をC-D結合に変換した重水素化体は、古くより機器分析のトレーサーなどに用いられてきました。一方、近年、C-D結合はC-H結合より安定であるという同位体効果などを利用した、新たな機能性分子の開発が注目されています。しかし、C-H結合をC-D結合に直接変換することは非常に困難です。我々は、有機反応の配位子や触媒として機能するトリフェニルホスフィン(PPh3)の15個のC-H結合をすべてC-D結合に一挙に変換することに成功しました。また、物性変化をNMRや最新の計算学的手法を用いて明らかにし、有機反応における触媒機能の向上を達成しました。重水素化が有機分子の機能性拡張を可能とする革新的な基盤技術になることを我々が示したことが評価され、受賞に至りました。