非天然糖であるL-糖を組み込んだ新たな機能分子の創成が注目されています。しかし、L-糖は非常に高価であるため、その利用には制約があり、劇的な創薬展開には繋がっておりません。機能分子製造化学分野の松浦氏(B5)は、光触媒存在下D-グルコース類縁体のC5位を直接エピマー化することで、L-イドース類縁体へ一段階で変換する世界初の手法を開発しました。本法はグルコース類縁体以外にも様々な糖類へ適用可能であり、非常に穏やかな条件で反応が進行します。希少なL-糖の実用的な供給手段として有用であり、糖化学や創薬分野への応用が期待できる方法論として評価され、受賞に至りました。