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2025/08/05
研究
【論文掲載】創薬ナノデザイン学分野の吉岡靖雄・特任教授(常勤)らの論文がACS Nano誌に掲載されました。
創薬ナノデザイン学分野の吉岡靖雄・特任教授(常勤)らの研究チームは、脂質ナノ粒子の脂質組成を至適化することで、低起炎性の脂質ナノ粒子を作製し、マウスにおいて、メッセンジャーRNAワクチンの副反応を低減することに成功しました。
【研究成果のポイント】
・メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンは、頻繁に発熱などの副反応を誘発してしまうことから、副反応の低減したmRNAワクチンの開発が急務となっています。
・本研究では、mRNAを封入している脂質ナノ粒子(LNP: Lipid nanoparticle)を改変した新たなmRNAワクチンの開発を試みました。特に、LNPを構成するコレステロール、リン脂質、PEG化脂質に注目し、副反応を低減し得る脂質成分・組成を探索しました。
・マウスにおいて、目的とする抗原特異的免疫応答は強力に誘導しつつ、発熱などの副反応を低減可能LNP組成を複数見出しました。
・今後のmRNAワクチン開発における重要な知見になると期待されます。一方で、本結果はマウスにおける結果であり、ヒトへの応用は慎重に進めていく必要があると考えています。
本研究成果は、米国科学誌「ACS Nano」に2025年7月23日(水)に掲載されました。
論文名:Modulating Immunogenicity and Reactogenicity in mRNA-Lipid Nanoparticle Vaccines through Lipid Component Optimization
雑誌名: ACS Nano
著者名:Yoshino Kawaguchi, Mari Kimura, Tatsuya Karaki, Hiroki Tanaka, Chikako Ono, Tatsuhiro Ishida, Yoshiharu Matsuura, Toshiro Hirai, Hidetaka Akita, Taro Shimizu, Yasuo Yoshioka
DOI:10.1021/acsnano.5c10648