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2025/07/17
受賞
【受賞】再生適応学分野(旧 細胞生理学分野)博士課程3年山田麻奈未氏が第29回がん分子標的治療学会学術集会にて優秀ポスター賞を受賞しました(令和7年7月4日)。
【演題名】
RNA 脱メチル化酵素 ALKBH3 の酵素活性阻害化合物による膵がん治療創薬
RNAは転写後に様々な修飾を受けることが知られており、それらが翻訳やRNAの安定性などを制御することが明らかとなってきています。このRNAの後天的修飾による遺伝子の発現制御機構は“エピトランスクリプトミクス”と呼ばれ、がんの発生・悪性化との関連性が注目されています。
当研究室ではRNAの1-methyladenosine (m1A)や3-methylcytidine (m3C)を脱メチル化する酵素AlkB homolog 3 (ALKBH3)が膵がんで高発現し、予後不良性と相関することを明らかとしています。本研究では、創製したALKBH3の酵素活性阻害化合物を用いて、膵がん細胞に対する効果を評価し、ALKBH3の酵素活性阻害がRNAのメチル化亢進、タンパク質翻訳能低下、ミトコンドリア機能障害を介したアポトーシスを誘導することを明らかにしました。
本研究成果により、ALKBH3の酵素活性阻害化合物がFirst-in-classの膵がん治療薬につながることが期待されます。