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2025/07/16
研究
【論文掲載】分子生物学分野 水口裕之教授、櫻井文教招へい教授、小野良輔さん(博士課程(研究当時))、徳岡大空さん(博士前期課程(研究当時))らの論文がJournal for ImmunoTherapy of Cancer誌に掲載されました。
がん細胞に特異的に感染し、がん細胞を死滅させる腫瘍溶解性ウイルスが、新たな抗がん剤として大きな注目を集めています。特にアデノウイルス(Ad)を基盤とした腫瘍溶解性ウイルスは、その優れた抗腫瘍効果から活発に臨床開発が進められています。従来の腫瘍溶解性Adは、100を超えるヒトAdのなかで、5型Adを基本骨格としております。水口教授らのグループは、35型Adを用いた新規の腫瘍溶解性Adの開発を進めており、その応用が期待されています。本研究では、腫瘍溶解性35型Adの抗腫瘍メカニズムを免疫学的な解析によりその一端を解明しました。即ち、腫瘍溶解性35型Adは、がん細胞内でウイルスが増殖することでがん細胞を死滅させるという腫瘍溶解性ウイルスの従来の抗腫瘍メカニズムに加えて、がん免疫において重要なNK細胞やCD8陽性T細胞を強力に活性化させて、抗腫瘍効果を示すことを明らかにしました。今後、難治性がんとされてきたがん種にも有効性を示す新規抗がん剤への活用に期待がもたれます。
本研究成果は、科学誌「Journal for ImmunoTherapy of Cancer」(オンライン)に、7月11日(金)(英国時間)に公開されました。詳細はこちら (https://resou.osaka-u.ac.jp/ja/research/2025/20250711_2)をご覧ください。
雑誌名:Journal for ImmunoTherapy of Cancer
論文名: Oncolytic adenovirus serotype 35 mediated tumor growth suppression via efficient activation of antitumor immunity
著者: Ryosuke Ono#, Sora Tokuoka#, Masashi Tachibana, Ken J. Ishii, Fuminori Sakurai*, Hiroyuki Mizuguchi* (# equally contributed)
#筆頭著者 *責任著者