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2025/05/13

研究

再生適応学分野の物江祐弥さん(博士後期課程)、神宮司健太郎・講師らの論文がJournal of Extracellular Vesicles誌に掲載されました。

RNAは転写後に様々な修飾を受けることが知られており、自然免疫系による自己RNAとウイルス等の非自己RNAの識別に用いられています。ヒトにおいて確認されている修飾ヌクレオシドは68種類ですが、これまでの技術ではそれらの同時定量化は困難でした。また、細胞や組織に比べ、細胞外小胞(EV: extracellular vesicles)内の絶対的なRNA存在量は微量である(1細胞内RNA量=1.9〜7.9 pg、1EV内RNA量=5.3x10-6 〜0.3x10-5 pg)ことから、希少な修飾ヌクレオシドも検出可能な高感度な検出系が望まれていました。今回研究グループは独自解析基盤技術により、EV内のRNA修飾体解析に成功し、癌EV特徴的な修飾体を捉えることが出来ました。さらに、癌細胞はEVにパッケージングするRNA修飾体のプロファイルを正常細胞と変え、あえて単球やマクロファージに非自己と認識させることで、自然免疫を活性化させ、サイトカイン産生を介して腫瘍優位に誘導していることを明らかにしました。本研究成果は、癌細胞放出EVを標的としたバイオマーカーや創薬研究に大きく貢献することが期待されます。
本研究成果は、国際細胞外小胞学会誌「Journal of Extracellular Vesicles」(IF: 15.5)に公開されました(2025年5月6日(火))。

なお、本研究は大阪医科薬科大学との共同研究として行われました。

雑誌名:Journal of Extracellular Vesicles
論文名:Cancer-Specific RNA Modifications in Tumour-Derived Extracellular Vesicles Promote Tumour Growth
著者:Yuya Monoe#, Kentaro Jingushi*, Kohei Taniguchi, Kensuke Hirosuna, Jun Arima, Yosuke Inomata, Yoshiaki Takano, Hiroki Hamamoto, Kazumasa Komura, Tomohito Tanaka, Hiroaki Hase, Sang-Woong Lee, Kazutake Tsujikawa
#筆頭著者 *責任著者