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2025/04/25

研究

【論文掲載】薬品製造化学分野(現機能分子製造化学) 小笠原陸博士、前光結氏、澤間善成教授らの論文がアメリカ化学会より発行する学術雑誌Journal of the American Chemical Societyに掲載されました。

有機分子中の水素(H)を安定同位体である重水素(D)に置き換えた“重水素化物質”は、創薬研究や生細胞イメージングなどの材料として用いることができます。そのため、重水素化物質は、医薬学を含めた幅広い分野で近年注目されています。しかし、医薬品やアミノ酸に多く含まれる硫黄原子の隣接位に重水素を導入した化合物を合成することが難しく、長年の課題とされてきました。
今回、澤間善成教授のグループは光触媒として安価なチオキサントンを使うことで、高い化学選択的かつ高重水素化率で硫黄原子隣接位へ重水素を導入することに成功しました。この合成法では、安価かつ天然に豊富に存在する重水(D₂O)を重水素源として用いています。また、得られた重水素化物質を更に変換し、重医薬品合成へと展開しています(重医薬品;新たな低分子モダリティとして近年注目(重水素学HPを参照))。
本手法は、重水素創薬やケミカルバイオロジーにおける分子設計の新たな展開を切り拓くものとして期待されます。この研究成果は、アメリカ化学会より発行される学術雑誌の中で権威ある「Journal of the American Chemical Society」に2025年4月23日(オンライン公開)に掲載されました。

論文情報
雑誌名:Journal of the American Chemical Society
論文名:Photocatalytic and Chemoselective H/D Exchange at -thio C(sp3)-H Bonds
著者: Riku Ogasahara, Miyu Mae, Yuki Itabashi, Kei Okubo, Keisuke Matsuura, Hyoga Shimizu, Kazuho Ban, Masaki Togami, Taro Udagawa, Hiroyoshi Fujioka, Mako Kamiya, Shuji Akai, Yoshinari Sawama