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2025/01/20
受賞
【受賞】細胞生理学分野 博士課程2年山田麻奈未氏が第47回分子生物学会年会にてMBSJ2024ポスター賞(MBSJ-EMBO Poster Award)を受賞しました(令和6年12月2日)。
【演題名】
膵がんにおけるRNA脱メチル化酵素ALKBH3によるエピトランスクリプトミクス制御の解析
RNAは転写後にさまざまな修飾を受けることが知られており、それらが翻訳制御やRNAの安定性などを制御することが明らかとなってきています。このRNAの後天的修飾による遺伝子の発現制御機構は“エピトランスクリプトミクス”と呼ばれ、がんの発生・悪性化との関連性が注目されています。
当研究室で発見したDNA/RNA 脱メチル化酵素AlkB homokog 3 (ALKBH3)は、最も難治性のがんである膵がんで高発現しており、ALKBH3の高発現患者は予後不良であることを明らかとしています。本研究では、開発したALKBH3の酵素活性阻害化合物を使用し、膵がんにおけるALKBH3の高発現がRNAの1-methyladenosine (m1A)を脱メチル化することにより、ミトコンドリア損傷と小胞体ストレスを回避することで、膵がん細胞の増殖促進に寄与する可能性を見いだしました。
本研究成果より、ALKBH3の酵素活性阻害化合物がfirst-in-classの膵がん治療薬につながることが期待されます。