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2024/11/05

受賞

【受賞】薬品製造化学分野 博士後期課程3年 西尾幸也氏が第24回生体触媒化学シンポジウムにて最優秀発表賞と優秀ポスター賞を受賞しました。

10/31~11/1に開催された第24回生体触媒化学シンポジウムにて博士後期課程3年 西尾幸也氏が最優秀発表賞(口頭発表の部)、優秀ポスター賞(ポスター発表の部)を受賞しました。
【演題】R体選択的リパーゼによるS体エステル収束型脱ラセミ化反応(口頭およびポスター発表)
【演者】西尾 幸也、赤井 周司、鹿又 喬平

加水分解酵素リパーゼの高い分子認識能を利用して、ラセミ体原料をそれぞれの鏡像異性体に分ける光学分割に汎用されてきました。さらに、光学分割にラセミ化反応を組み合わせることで、ラセミ体を光学的に純粋な化合物に100%変換可能な動的速度論的光学分割(DKR)も開発されています。しかし、天然のリパーゼは加水分解とエステル化のいずれの反応においてもR体を選択的に変換するため、従来のDKRではR体生成物に収束し、その鏡像異性体であるS体に収束させることはできませんでした。西尾氏らは微粒子を乳化剤とするPickeringエマルションを反応媒体として、光学分割に他の2種の反応を組み合わせることで、天然型リパーゼを用いてS体生成物に収束させる前例のない変換法を開発しました。本成果により、天然リパーゼを使って、ラセミ体原料から両方の鏡像異性体をほぼ100%効率で作り分けることが可能になりました。リパーゼは発酵で生産でき、また生分解する点で環境調和性に優れています。上記の方法はこの利点を生かし、光学的に純粋な医薬品などの環境低負荷合成への応用が期待されます。