第74回日本薬学会関西支部総会・大会（令和6年10月5日）
「鼻腔内投与型アデノウイルスベクターワクチンのメカニズム解析」
優秀発表賞（口頭発表の部）
仲谷　隼（分子生物学分野　博士前期課程2年）
アデノウイルスベクター(Adv)を用いた鼻腔内投与型ワクチンは、全身免疫に加えて粘膜免疫を誘導できるため、様々な感染症に有効なワクチンとして期待されています。しかしながら、鼻腔内投与したAdvによる免疫応答誘導機序については不明な点が多く、有効性の向上にはその解明が必須となっています。今回我々は、Adv鼻腔内投与後に産生されるⅠ型IFNがNK細胞の活性化を介し、抗原特異的な抗体産生を減弱させる可能性を明らかにいたしました。この知見は、Advを効果的かつ安全な鼻腔内投与型ワクチンプラットフォームとして確立するための一助になるものと期待されます。今後は、NK細胞の寄与について詳細に検討していく予定です。