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2024/09/03
受賞
【受賞】酵素反応解析学研究室 学部5年 甘利琉悟氏が第21回次世代を担う若手のためのフィジカル・ファーマフォーラム(PPF2024)にて優秀発表賞を受賞しました(2024年8月23日)。
水素に換わって重水素を導入した重水素化薬物は、代謝の低下による副作用の低減などが期待されている。重水素化は主要な薬物代謝経路である、第1相反応(薬物代謝酵素 Cytochrome P450(CYP)による代謝)にも効果的であると強く期待されているものの、代謝部位を重水素化したにも関わらず CYP による代謝低下がみられない化合物例が散見され、重水素化薬物の発展の障害となっている。そこで本研究では、重水素化薬物において代謝の低下しない理由を考察することを目標として、同じプロピオン酸系NSAIDsでありながら代謝部位の異なるflurbiprofenとibuprofen及びそれらの重水素化体について各種代謝パラメータを収集し、比較した。結果、芳香環水素が代謝部位のflurbiprofenでは代謝は低下せず、アルキル水素が代謝部位のibuprofenでは代謝が低下したことで、代謝部位の違いによる重水素化の効果の違いが確認された。また、ibuprofenにおける代謝低下の原因として、代謝の空転反応であるShunt経路の亢進が示唆されることを明らかにし、発表した。