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2024/07/23

受賞

【受賞】毒性学分野 学部4年 佐伯悠真氏が第51回日本毒性学会学術年会にて学生ポスター発表賞を受賞しました(2024年7月5日)。

ナノマテリアル(NM)は、比表面積の増加によって得られる特徴的な機能から、その有用機能が期待されており、今後もその適用範囲は益々拡大すると考えられています。そのため、年齢・性別を問わず、誰もがNMを曝露し得る一方で、そのサイズの微小化に伴い、NMが予想外の生体影響を及ぼす可能性が指摘されています。本背景のもと、近年、化学物質曝露が雄親および次世代に与える影響の評価に注目が集まっているものの、雄親曝露に着目したNMの次世代影響評価に関する研究は未だ遅れています。そこで本研究では、適用製品数の点で最も汎用されるNMの1つである銀ナノ粒子をモデルに、銀ナノ粒子の雄性生殖器への移行性を評価すると共に、銀ナノ粒子を投与した雄マウスを正常雌マウスと交配させ、生まれてくる仔の出生仔数・仔の体重・身長を調べることで、雄親を介した次世代に対する影響評価を試みました。その結果、粒子径10 nmの銀ナノ粒子(nAg10)を高濃度投与した群において、対照群と比較して血液や精巣において銀量が有意に増加することが示されました。一方で出生仔数、仔の体重・身長を評価したところ、群間に有意な差は認められませんでした。以上の結果から、nAg10は腸管吸収され精巣に移行し得るが、本投与条件下では妊娠転帰に影響は認められない可能性が示されました。今後は、より高用量、長期間で投与することで、雄親を介した次世代に対する影響を追究していきます。