創薬における有機合成では、環境に優しい反応の開発が重要視されています。脱水反応は有機合成において重要な反応の１つであり、一般に強酸を用いた反応条件が適用されます。しかし、適用できる基質（官能基）が限定されるとともに、反応後の中和処理等の工程が必要となり多くの廃棄物が生じることが問題となります。
　小山氏は、容易に入手可能な活性炭担持型白金族系触媒であるRu/Cの新たな機能を見出し、第3級アルコールの脱水反応に適用できることを明らかにしました。Ru/Cは、ろ過により簡便に回収・再利用できるため、環境負荷低減型の反応として有用です。この成果が評価され、受賞に至りました。