HIV感染症根治を志向した治療戦略としてShock & Kill法が注目されており、本戦略の鍵となる潜伏活性再活性化剤(LRA)が盛んに研究されている。我々は、海綿から採取された天然有機化合物Ansellone A(1)がLRA活性を持つことに注目し、本化合物をシーズとした研究を展開している。これまでに、化合物1の短工程全合成を達成し、Ansellone類の改良合成法を確立している。また、1のOAc基をOH基に変換した化合物である化合物2(Ansellone J)は1よりも高いLRA活性を示すことを見出している。今回我々は、さらに高活性且つ合成容易なLRA探索を目指し、Ansellone J構造単純化類縁体の構造活性相関研究を展開した。本研究は熊大院薬 三隅教授・岸本助教との共同研究である。