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2024/05/08

受賞

【受賞】毒性学分野 学部4年 佐伯悠真氏が日本薬学会第144年会にて学生優秀発表賞を受賞しました(2024年4月23日)。

ナノテクノロジーの進歩により、誰もがナノマテリアル(NM)の曝露を避け得ないものの、NMはそのサイズの微小さゆえに、予期せぬ生体影響を引き起こしてしまうことが懸念されています。特に母体・胎仔は化学物質に対して脆弱であることから、安全性評価研究の推進が求められています。この点、当研究室では、NMの生殖発生毒性に着目した安全性評価を先駆けて実施しており、妊娠マウスのNM曝露が低体重仔出生などの有害妊娠転帰を引き起こし得ることなどを明らかとしてきました。一方で近年、雄親曝露を介した化学物質の次世代影響については、POHaDとも提唱されるなど、新たに注目を集めていますが、NMの雄親曝露が妊娠転帰におよぼす影響については未だ情報が不足しています。そこで本研究では、適用製品数の点で最も汎用されるNMの一つである銀ナノ粒子をモデルNMとして選択し、銀ナノ粒子曝露による雄性生殖器への移行と妊娠転帰におよぼす影響を評価しました。その結果、銀ナノ粒子は腸管吸収され精巣に移行し得るが、今回実施した実験の投与条件では出生仔数、仔の体重・身長に影響を与えないことを明らかとしました。以上より、銀ナノ粒子の雄親における動態についての新たな知見を得たことから、本学会において発表を行い、今回の受賞に至りました。