【概要】
日本薬学会第144年会（令和6年3月28日- 31日）
「ウイルスゲノムを模倣した核酸医薬による肝星細胞での線維化抑制効果の検討」
日本薬学会第144年会学生優秀発表賞（口頭発表の部）
中川　可奈子（分子生物学分野　学部5年）

肝線維症は、ウイルス性肝炎や非アルコール性肝炎等による慢性的な炎症により発症し、肝がんや肝硬変へと進行します。今回我々は、ウイルスゲノムを模倣した一本鎖RNAが、線維化の進行に寄与している肝星細胞において線維化抑制効果を示し、また肝星細胞を活性化状態から静止期の状態へ回復させることを明らかにいたしました。その効果はsiRNAよりも優れており、今回の核酸医薬は優れた肝線維化治療薬となることが示唆されます。今後は線維化抑制メカニズムの解明や、動物レベルでの線維化抑制効果について検討する予定です。