〇概要
第１回日本化粧品技術者会学術大会(令和5年12月5日～令和5年12月7日）
【演題名】エクリン汗腺におけるTRPチャネルの発現と機能の解析
羅 倩雯（先端化粧品科学（マンダム）共同研究講座　博士前期課程2年)

エクリン汗腺は全身に有り、ヒト特有の体温調節器官として働いている。ヒトの発汗調節は中枢神経系により調整されているが、末梢において発汗調節機構が存在しているかどうかは明らかではない。
TRPチャネルは温度、浸透圧、化学物質など、様々な刺激で活性化され、細胞内外の環境変化を感知して細胞内シグナルに変換する機能を持つ。そこで我々は温度感受性のTRPチャネルに特に着目し、TRPチャネルが温度の変化を感知し、交感神経刺激を介さない汗の分泌、再吸収の役割を担っているのではないかと仮説を立て、 TRPV1、TRPV3、TRPV4、TRPM4の4つが汗腺に発現していること、ヒト汗腺細胞を用いたカルシウムイメージング法によって機能的なTRPV1、TRPV3、TRPV4が反応することを確認出来た。これらの結果からTRPチャネルはエクリン汗腺に発現し、調節機能を持っていることが考えられた。