鹿児島大学で9/28～29に開催された第23回生体触媒シンポジウムにて、鹿又喬平助教が企業注目賞を受賞しました。

【演題】リパーゼと硫酸水溶液を同一系内で用いるアルコール類の動的速度論的光学分割（口頭およびポスター発表）
【演者】鹿又 喬平、文 志勲、金 澤昇、水野 花鈴、赤井 周司

本来、リパーゼは硫酸など強酸との混合により変性し、機能を失ってしまいます。今回、鹿又助教らのグループは、微粒子を乳化剤とするピッカリングエマルションを用いることでリパーゼと硫酸水溶液を相分離し、両者の機能を保持したまま、同一系内で共存させることに成功しました。さらに、本手法を用いて光学活性アルコールの合成（動的速度論的光学分割）を達成しました。本成果は今後、医薬品化合物などの効率的で環境調和性に優れた合成法への応用が期待されます。

関連論文
“ Lipase/H2SO4-Cocatalyzed Dynamic Kinetic Resolution of Alcohols in Pickering Emulsion”
文 志勲、金 澤昇、水野 花鈴、赤井 周司、鹿又 喬平
ChemCatChem, 2023, 15, e202300878 (DOI:10.1002/cctc.202300878).