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2023/05/16

受賞

【受賞】薬品製造化学分野 博士前期課程2年 前 光結氏が日本薬学会第143年会にて学生優秀発表賞を受賞しました(2023年4月25日)。

重水素(D, 2H)は水素(H)の放射性のない安定同位体であり、水素の代わりに重水素を組み込んだ有機分子(重水素化体)は、重水素の特異な性質により医薬品の体内動態を追跡する材料として機能します。また、炭素―水素結合より炭素―重水素結合は安定であるため、医薬品の代謝(分解)部位に重水素を組み込むことで、医薬品が丈夫になり機能が向上する事が注目されています。そのため、有機分子の水素を直接重水素に置き換える手法(重水素化法)の開発が極めて重要となります。
薬品製造化学分野では、重水素源として最も安価な重水と、回収容易な白金族触媒を用いた様々な重水素化法を開発しています。しかし、硫黄を含む化合物は、硫黄原子が白金族触媒を不活性化してしまう問題がありました。
 今回、室温下、光による有機触媒の活性化を利用して、生体関連物質であるメチオニンやビオチンなどの硫黄の隣接位を選択的に重水素化する手法を開発しました。これまで困難であった硫黄を含む多様な分子の重水素化を達成したことが評価され、受賞に至りました。