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2023/05/10

受賞

【受賞】神経薬理学分野 博士後期課程1年 竹本智哉氏が日本薬学会第143 年会にて学生優秀発表賞を受賞しました(2023年4月25日)。

【研究課題】ヒト染色体3q29領域欠失を導入した自閉スペクトラム症モデルマウスの社会行動異常はオキシトシンの投与により回復する

近年の研究から、ヒト染色体3q29領域のヘテロ欠失が、自閉スペクトラム症(ASD)の発症並びに社会性の障害に強く関連することが示唆されています。しかし、本欠失についての報告は症例報告がほとんどで、疾患発症の分子病態は不明です。これまでに私たちはヒト3q29領域と相同なマウス染色体領域を欠失させたモデルマウス(Df/+)を作成し、3q29領域欠失並びにASDモデルとしての高い妥当性を示してまいりました。本研究ではDf/+が示す社会性行動異常に関わる分子病態を明らかにするために、オキシトシンという、社会性に関与する神経ペプチドに着目した解析を行いました。その結果、Df/+は脳内のオキシトシン量が減少する事、また、オキシトシンの投与によりDf/+の社会性行動は野生型と同程度まで回復する事を見出しました。3q29領域欠失により生じる分子病態と、その治療可能性を示した本研究は、ASDの病態理解に大きく貢献するものとして高く評価され今回の受賞に至りました。