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2021/11/16

受賞

【受賞】薬品製造化学分野 博士課程2年 岡直輝氏が第119回有機合成シンポジウムにて優秀発表賞を受賞しました。

【学会名】 第119回有機合成シンポジウム (令和3年11月9日)
【受賞演題】ホウ素の空軌道を立体的に保護した芳香族ボロン酸エステルの開発
【受賞者】 岡 直輝 (薬品製造化学分野 博士課程2年)

 ノーベル化学賞を受賞した鈴木 章博士の業績に代表されるように、ボロン酸は医薬品や機能性有機化合物を合成する際に重要な活性種として現在、広く利用されています。その中でも、ボロン酸ピナコールエステルは反応性と安定性のバランスがいいため、最も汎用されているボロン酸誘導体の一つです。しかし実際には、シリカゲルクロマト精製の際に徐々に分解するなど、ボロン酸ピナコールエステルの取り扱いには注意が必要です。また、ピナコールエステルを保持した状態で他の官能基変換を行うのも困難です。岡さんは、ピナコールエステルのメチル基をエチル基に変更することで、ホウ素の空軌道を動的に立体保護した『ボロン酸エチルピナコールエステル』を新規に開発しました。この化合物はシリカゲルクロマト精製や、種々の官能基変換反応条件に耐えうる安定性を有することが判明しました。同時に、鈴木カップリングの基質として高い反応性を備えていることも確認しました。今回開発した『ボロン酸エチルピナコールエステル』は、従来のボロン酸誘導体の多くの欠点を克服し、これらに取って代わる可能性が高いことが評価され、今回の受賞に至りました。