食品薬学シンポジウム

開催にあたって

「食品薬学シンポジウム」は、ヒトのからだと健康に及ぼす食品の効果を、物質科学の観点から議論する場として、大阪大学名誉教授の北川 勲先生や京都薬科大学名誉教授の吉川雅之先生ら薬学研究者が平成11年に開催した「くすりと食物シンポジウム」の後継シンポジウムで、平成18年から、日本薬学会の生薬天然物部会が新設されたことに伴い、部会主催のシンポジウムとして、「天然薬物の開発と応用シンポジウム」と交互に開催されている、伝統あるシンポジウムです。

先進諸国の急速な超高齢化により、健康寿命の延伸がグローバルな課題となっています。心身(こころと身体)のセルフケアによる健康維持・増進や未病状態の改善は、健康寿命の延伸ばかりかQOL(生活の質)の向上、社会保障費の削減、労働人口の確保などが期待できる優れた解決アプローチであり、その実現が社会から強く要請されています。特に、天然物や天然由来成分、食素材などは、セルフケアツールの素材として期待されている一方、安全で有効なセルフケアツールとして継続的に提供されるようになるためには、素材選択、機能性、分析、安全性の保証、果ては人体の複雑さや多様性にまで及ぶ、科学的検討が必要であります。このような観点から、天然素材に関する現状と将来について討議を行う本シンポジウムは,その安全性とさらなる可能性を考える上でも意義深く,食品、生薬・天然物、天然薬物等の研究領域の発展に繋がるものと確信しています。

「第10回食品薬学シンポジウム」では、新型コロナ感染症を取り巻く状況も落ち着いたことから、一般口頭発表とともに、より多くの研究者や学生の方々が、自身の研究成果を広く発表し、活発な議論を交わす機会を提供できるという観点から、暫く行なっていなかったポスター発表を再開いたします。

食品・生薬・天然物研究領域の一層の活性化に繋がる実りある会となるように、実行委員会一同鋭意準備を進めて参りますので、多くの皆様にご参加いただければ幸甚です。

第10回 食品薬学シンポジウム実行委員長
大阪大学薬学研究科 教授 荒井雅吉

第10回食品薬学シンポジウム

The 10th Symposium on Pharmaceutical Food Science

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