食と環境の安全安心を担う薬学人材養成教育

- 統合型教育体制の整備による食と環境の安全・安心を確保できる環境薬学領域の人材育成 -

平成20年度 質の高い大学教育推進プログラム

 

6年制薬学教育の現状

 平成18年度から全国的に開始された6年制薬学教育における大きな特徴は、医療薬学教育や医療人としての態度教育の充実・高度化に重点を置いたモデル・コアカリキュラムに準拠した教育の実施と、病院及び薬局での長期実務実習を課すことにある。したがって、6年制薬学教育では、これまでの基礎薬学中心の教育だけではなく、医療薬学、臨床薬学に及ぶ広範なカリキュラムが組まれ、さらに課題探究能力や問題解決能力の涵養といった深いレベルでの知識教育や、医療人としての技能・態度に関する実践的な教育も実施される。しかし、6年制薬学教育のモデル・コアカリキュラムにおける環境薬学は、従来の衛生化学や公衆衛生学に関する教育内容が踏襲されており、関連法規や公定法の暗記と言った比較的浅いレベル(想起)の知識教育がほとんどである。また、技能教育も手分析による衛生・環境試験など古典的技法の修得の域を出ない。さらに、食と環境の安全・安心を担う薬学研究者や薬剤師としての使命感の涵養といった態度教育も十分とは言えない。したがって、こういった医療人教育に重点が置かれた6年制薬学教育体制のもとでは、環境薬学教育のさらなる高度化及び実質化による“食と環境の安全・安心を確保できる人材”の養成は難しいと考えられる。

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