プログラム

シンポジウム

シンポジウム 1

8月24日(土)10:00~12:00

A会場:大阪大学会館講堂

日本薬学教育学会奨励賞受賞講演

オーガナイザー

乾 賢一(一般社団法人日本薬学教育学会理事長)

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2019年より新規に創設しました日本薬学教育学会教育研究奨励、教育実践奨励賞に多数のご応募をいただきました。本シンポジウムでは、両賞の目指すところをお話させていただくと共に、受賞者による講演を予定しております。

シンポジウム 2

8月24日(土)10:00~12:00

B会場:大講義室

高大接続から考えてみよう
―思考力・判断力 どうとらえ、どう測定するか―

オーガナイザー

大津 史子 (名城大学薬学部 教授)
長谷川 洋一(名城大学薬学部 教授)

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2020年度から現行のセンター試験に代わり、「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)が実施される。従来のセンター試験からの大きな変更として、これまでのセンター試験になかった記述式問題の導入と、英語では4技能(読む・聞く・話す・書く)を評価することが挙げられている。このことは、単に「知識・技能」だけでなく、大学入学段階で求められる学力の3要素のなかで「思考力・判断力・表現力」を一層重視するという考えがベースにある。高大接続システムのなかで改革がすすめられているが、現在、高校ではどのような教育が実施されているのか、また大学では共通テストの結果から何をどのように評価すればよいか、そしてこれから入学する学生を大学ではどのように教育していけば良いか、高校までに培った力を更に向上・発展させ、社会に送り出せば良いかを考える機会を共有し、参加者各自が振り返りながら自校の薬学教育での思考力・判断力を醸成するための課題について、議論する予定である。

シンポジウム 3

8月24日(土)10:00~12:00

C会場:講義B棟 B118

薬剤師の職能発展とキャリア開発論
―多様化の時代に求められるキャリアの考え方―

オーガナイザー

富澤 崇(城西国際大学薬学部 准教授)

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AIやテクノロジーの進歩、労働に対する価値観の多様化、働き方の多様化などにより、薬剤師の求人需要や働き方はこれまでとは変わっていくと考えられます。また、医療現場という狭義の職能拡大の議論は盛んですが、ヘルスケア領域全般という広義の職能発展については議論の場が少ないうえに、薬学出身者の進路は、病院、薬局、ドラッグストア、製薬メーカーの4択であるかような思い込みも根深く存在します。また、奨学金返済や依然と続く売り手市場のために、キャリアデザインを描くまでもなく好待遇を求めた就職・転職がなされがちです。今後の多様化の時代において、薬学出身者の職能発展を踏まえて正しくキャリアをデザインすることが重要になります。
そこで、このシンポジウムでは、海外・メディア・コンサルティングの従事者、女性薬剤師の働き方を支援しているキャリアアドバイザー、新卒採用・中途採用に関わる専門家、キャリアデザインの重要性を実感している若手薬剤師といった多彩なパネラーを迎えて、「職業選択、キャリアパス、働き方の多様性」、「キャリアデザインの正しい考え方」、「大学、社会におけるキャリア教育」への理解を深めるとともに、薬学部出身者の職能発展とパラレルキャリアのために何をすべきかを提言してみたいと思います。参加者同士または参加者とパネラーとの対話を重視して進めていきます。

シンポジウム 4

8月24日(土)10:00~12:00

D会場:講義B棟 B107

アンケートやインタビュー取っただけに終わってませんか?
―データのより深い解析をめざして―

オーガナイザー

木下 淳 (姫路獨協大学薬学部 准教授)
串畑 太郎(摂南大学薬学部 助教)
佐藤 卓史(大阪薬科大学 准教授)

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アンケートやインタビューから得られたデータは薬学教育研究にとって重要なデータであり、それをどのように解析するかが研究の成否を決めるといっても過言ではありません。そのためには、先ず、何が知りたいのか、何を検証したいのかといった観点から十分に検討された研究計画を立てる必要があります。そのうえで、対象者とその数、質問内容を十分に吟味しなければなりません。ところが現状を鑑みると、質問を精査せずにデータを得ることを先行させ、データ取得後に解析法を考えて分析されたであろうと推測できる報告例も散見されます。また、解析も単純に集計を行っているだけであったり、質問項目間で相関を見ているだけであったりする報告も見受けられます。さらに、自由記述やインタビューに関しては、筆者の主観に基づいて抜粋された内容のみが提示されているケースもあります。そこで本シンポジウムでは、アンケートやインタビューから得られたデータをより深く解析する方法について、検証したい仮説に適した解析とは何か、また、それらの解析を行うために必要な研究計画とは何かを考えていきたいと思います。今回は、種々ある解析手法のうち、因子分析、クラスター分析、テキストマイニング、質的研究に関して、それぞれの方法における研究計画、それらの方法で何が明らかとなるのか、解析法の概要等についての解説と実際に解析を行った事例を紹介してもらいます。その後、全体でのパネルディスカッションを予定しています。

シンポジウム 5

8月24日(土)15:00~18:00

A会場:大阪大学会館講堂

改訂モデル・コアカリキュラムの幕開け!
~高い資質をもった次世代の薬剤師を育成するには!?~

オーガナイザー

橋田 亨 (神戸市立医療センター中央市民病院 薬剤部 薬剤部長)
高橋 一栄(大阪府済生会野江病院 薬剤科 薬剤部長)

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わが国の薬学教育は、臨床現場で活躍できる実践的な能力を有した薬剤師の育成を目的として6年制に移行し、さらに2019年度より改訂モデル・コアカリキュラムが実務実習にも導入され教育内容の充実が図られている。新しいカリキュラムの根幹となっている学習成果基盤型教育とは、学習アウトカム(目標)を設定し、それを達成できるように目標・方略・評価など教育全体をデザインする方法であり、言い換えれば臨床現場で通用する薬剤師像(ゴール)を明確に示す必要があると考えられる。
一方で、目標となりうる先進的な薬剤師自身も、多忙な日常業務を遂行するだけでなく、限られた時間を利用し実務実習生の教育に注力しているのが現状である。このような指導的な薬剤師が、どのような薬剤師像を目指していて、どのような臨床教育を行っているのか。
本シンポジウムでは、種々の分野で活躍している薬剤師からご講演頂き、臨床現場で求められる資質を持った薬剤師とは何かを議論した上で、それを達成するために必要な薬学教育のあり方について考えてみたい。

シンポジウム 6

8月24日(土)15:00~18:00

B会場:大講義室

世界の薬学教育は今、そして日本の薬学教育を考える
―高度先導的薬剤師の養成とそのグローカルな活躍を推進する
アドバンスト教育研究 プログラムの共同開発―

オーガナイザー

平田 收正(大阪大学大学院薬学研究科 教授)
村岡 未彩(大阪大学大学院薬学研究科 特任助教)

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薬学部の使命は、近年の医療技術の高度化や医薬分業の進展などに伴う医薬品の安全使用や薬害の防止といった、社会的な要請に応えることができる高い資質を備えた薬学人材を養成することにある。全国の薬系大学では、このような使命を果たすために、医療薬学を中心とした専門教育や病院や薬局での実務実習の充実を図るとともに、これらを有機的に組み合わせた教育課程の編成を行ってきた。 しかし、最先端医療を支える次世代の創薬が待望され、また新興・再興感染症の流行、有害物質による食品や環境の汚染による健康被害の脅威が増大し、さらには社会の超少子高齢化とグローバル化が大きく進む中で、薬学人材に求められる役割はさらに多様化・高度化している。こういった役割を果たすためには、世界の薬学研究者・薬剤師が共創し、協奏することによって、ヒトの健康の維持・増進に指導的な立場で貢献し、多様かつ高度な医療を推進することが求められる。今後の学教育において、こういった共創と協奏を担う優れた薬学人材を養成するためには、まず現在の海外における薬学教育の現状について学び、これを共有化して我が国の薬学人材の養成に生かすことが重要である。本シンポジウムは、国公立18大学が進める「高度先導的薬剤師の養成とそのグローカルな活躍を推進するアドバンスト教育研究プログラムの共同開発」事業の一環として実施するものであり、海外の薬学教育について体験を交えてご紹介いただき、今後の共創と協奏を担う薬学人材養成の在り方について議論する機会としたい。

シンポジウム 7

8月24日(土)15:00~18:00

C会場:講義B棟 B118

第2期薬学教育第三者評価 評価基準朗読会
―学習成果基盤型教育時代の分野別認証評価―

オーガナイザー

安原 智久 (摂南大学薬学部 准教授)
長谷川 洋一(名城大学薬学部 教授)
小澤 光一郎(広島大学薬学部 教授)

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第2期薬学教育第三者評価の評価基準が公開された。第2期の第三者評価は、学習成果基盤型教育(OBE)に基づいた改訂薬学教育モデルコア・カリキュラムによる各大学の教育を評価することとなる。また、第2期の薬学教育評価は、評価基準もまた「成果基盤型」で構築されているのが特徴である。大学の教育のあり方を、具体的で誤解の生じにくい、所謂SBOs的な表現で記述し、それに従って「出来ているか・出来ていないか」をチェックするのではなく、評価基準は成果(outcome)を示し、各大学は自らの教育方針に即して教育を実践し説明責任を果たす形となった。これによって、各大学が行う教育の自由度は上がり、様々な挑戦的な取り組みと評価基準との整合性に悩むことはなくなると思われる。しかしながら第2期の評価基準の公開以来、「いったい何をすれば認められるのか」、「具体的な指標を示してほしい」という問いは絶えることがない。確かに、SBOs的な「具体的、客観的で外的に観察可能」な評価基準を例示することで、第三者評価を受ける大学側は「何をすれば認められるのか」は分かりやすくなるが、それは教育の本来あるべき姿ではない。6年制薬学部の教育とは、社会のニーズと薬剤師養成教育として果たすべき使命を踏まえて各大学が教育の理念・目標を掲げ、それに到達する効果的・効率的な教育を各大学がそれぞれの責任の元で行い、そこで育つ学生の薬剤師としての質を保証するものである。第2期薬学教育第三者評価の評価基準は、各大学の責任で教育を行うことを広く受け入れるとともに、その教育の過程と成果に対しての大学の説明責任を求める成果基盤型の評価基準となっている。しかし一方で、新しい評価に準じた発想の転換には、時間をかけた議論と実践の繰り返しによる価値観の醸成が必要である。本シンポジウムでは、改訂された第三者評価の評価基準の中から解釈に迷うものを取り上げ、その基準が作られた目的に遡り、評価基準が求めることを実現する為に大学は何を目指すべきかを教育学的な観点から議論していく。

シンポジウム 8

8月24日(土)15:00~18:00

D会場:講義B棟 B107

救急医療を担う薬剤師教育の現状と課題
〜新しい教育カリキュラムの確立に向けて〜

オーガナイザー

亀井 大輔(昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 准教授)
玉造 竜郎(昭和大学薬学部 病院薬剤学講座 講師)

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救急医療とは、急激な身体の異変や生命の危機等に対して、最適な治療法や処置等を選択し、生命の危機を回避することを目的としている。ゆえに、これら救急医療を担う医療者には、重症度や緊急性が高い患者に対して、高度な専門性と迅速な判断力が求められている。
救急領域への薬剤師の参画については、救命救急センターの充実段階評価における「薬剤師の配置」の追加や、薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)での「救急医療における薬学的管理」「救急対応」の明記など、救急医療チームの一員として薬剤師の専門性への期待が高まっている。一方、救急医療を担う薬剤師の教育カリキュラムは、適切な方略や評価等が確立しておらず、現場で通用する高度な専門性や迅速な判断力等の涵養は、薬剤師個々の独学に依存している傾向が強い。また、救急医療の最前線で非常にストレスフルな環境下、薬剤師や薬学実習生のレジリエンスについての意識も低い。
本シンポジウムでは、大学教員、救急認定薬剤師そして救急科専門医・指導医と多角的な視点から、救急医療を担う薬剤師の現状や課題を議論し、本領域におけるレジリエンス教育まで含めた新しい教育カリキュラムの確立に向けた討論を期待している。

シンポジウム 9

8月25日(日)9:30~11:30

A会場:大阪大学会館講堂

【大学・大阪府薬剤師会・大阪府病院薬剤師会共同企画】
若手薬剤師が考える薬学教育の課題とその対策

オーガナイザー

久岡 清子(大阪府病院薬剤師会 副会長, 育和会記念病院 薬剤部)
庄司 雅紀(大阪薬科大学社会薬学・薬局管理学研究室 助教)

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若手薬剤師が、自身が受けた薬学教育が臨床現場でどのように活かされているかをふり返り議論することは、6年制薬学教育の課題を抽出する最も有効な手段の1つであると考えられる。そこで本シンポジウムでは、若手薬剤師が業務の現状を振り返り、自身が受けた薬学教育の、臨床現場への適応や課題について議論する。
南角氏は、実務実習で得た経験がその後の自身の目標設定にどのように活かされたか、また実際に自身が職場でついてから、実務実習の課題をどのように感じたかを薬局の立場から講演を行う。馬渕氏は、Evidence Based Medicine(EBM)の日常業務での実践例を挙げながら、薬学におけるEBM教育の意義について、薬局の立場から講演を行う。庄司氏は、日本で実施した薬局をフィールドとした介入研究の結果に基づき、医療コミュニケーション教育について、課題抽出及び提言を行う。
芳竹氏は、“病態の授業の充実”、および実務実習の際に“臨床現場において症例に深く介入することでアセスメント力を身につける”ことの重要性について、病院の立場から講演を行う。森川氏は災害医療に焦点を当て、多職種連携の重要性を実務実習の際に意識させることの重要性について、病院の立場から講演を行う。

シンポジウム 10

8月25日(日)9:30~11:30

B会場:大講義室

課題解決型高度医療人材養成プログラム
-地域チーム医療を担う薬剤師の養成-

オーガナイザー

西野 隆雄(大阪大学大学院薬学研究科 特任教授)
上田 幹子(大阪大学大学院薬学研究科 准教授)

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平成27年度入学生から学習成果基盤型教育に基づく改訂モデル・コアカリキュラムに準拠した薬学6年制教育が実施され、平成31年度からは本コアカリキュラムに対応した実務実習が開始された。平成26年度から始まった文部科学省助成事業「課題解決型高度医療人材養成プログラム」は、我が国が抱える医療現場の諸課題に的確に対応することによって健康長寿社会の実現に寄与できる優れた医療人の養成を目的とするものである。大阪大学大学院薬学研究科では、本事業として、大学と地域の連携による実践的地域医療教育プログラムの開発と普及を目的とする「地域チーム医療を担う薬剤師養成プログラム」が採択され、大阪府下の私立大学と地域の医療施設等の連携による“地域医療教育推進コンソーシアム”を基盤として、改訂モデル・コアカリキュラム対応実務実習を中心とした地域医療教育における様々なモデルプログラムを開発・実施した。本事業は、「Ⓐアドバンスト地域医療教育・演習プログラム」、「Ⓑアドバンスト地域医療実習・研修プログラム」及び「Ⓒ改訂カリキュラム対応実務実習支援プログラム」からなり、大学・病院・薬局の密な連携のもとに、優れた臨床能力を有し、地域包括ケアなどの今後の地域医療を主導できる高度な薬剤師の育成を目指して、近畿地区及び全国への普及を図った。
本シンポジウムでは、本事業の概要と、上記3プログラムの中から実務実習に関連するⒷ及びⒸについて紹介し、今後の地域医療教育の質の向上に向けた意見交換・情報共有化の場とさせていただきたい。

シンポジウム 11

8月25日(日)9:30~11:30

C会場:講義B棟 B118

薬学へのメンタルヘルスファーストエイド教育の導入
―地域医療における薬剤師の新しい役割―

オーガナイザー

久保田 洋子(日本薬科大学臨床薬学部門教授)
齋藤 百枝美(帝京大学薬学部 教授)

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近年本邦の年間自殺者数は3万人を下回り、減少傾向にある。しかし、自殺率は主要先進7か国の中で最も高く、非常事態は続いている。薬局薬剤師は、地域の身近な健康情報拠点として住民の医療・介護等へのニーズに応え、地域包括ケアシステムにおける多職種や関係機関との「顔の見える」ゲートキーパーの役割がますます重要になってきている。これは、地域住民の身近な存在として、将来ゲートキーパーの役割を求められる「薬学生」も同様である。しかしながら、現在の薬学教育においては、未完である。そこで、新しい教育プログラム構築のために、すでに医学部で実施されているメンタルヘルスファーストエイド教育の現状を学び、これからの薬学教育への導入を皆様とともに考えて参ります。
また、すでに導入されている事例や海外での薬学教育より、以下の教育プログラムの構築を目指します。
①講義および実習
・講義・演習は、精神科的危機状態にある方に適切な初期支援を行うための行動計画であるメンタルヘルスファーストエイドプログラムの導入
・実習は、模擬医療面接を含めた事例作成
②評価
・模擬医療面接を適切な評価方法の確立
③地域包括ケアシステムにおける、メンタルヘルス領域のゲートキーパーの育成

シンポジウム 12

8月25日(日)9:30~11:30

D会場:講義B棟 B107

ろう者・難聴者に対する無意識的なバリアはどこから作られているのか?

オーガナイザー

伊藤 栄次 (近畿大学薬学部)
小畑 友紀雄(神戸学院大学)

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ろう者・難聴者等、耳が聞こえない・聞こえにくい人々が医療従事者と十分なコミュニケーションを取れず、その結果として、間違った服薬等を行っている実態がある。こうした人々の存在は、昨日、今日といった新しいものではない。にもかかわらず、その方々に目が向けられ始めたのは、ようやくここ最近である。2000年、薬剤師法の欠格条項の撤廃によって、ろう者・難聴者の薬剤師が少しずつ増えてきている。こうしたことが契機となって、今やっと聞こえない・聞こえにくい患者への対応が課題として浮上してきている。こうした患者にどのように対応していくべきなのか?また、薬学部に入学してくるろう・難聴の学生らの講義保障はどうあるべきなのか?そして、それらを通して、私たちはそうした人々の存在をどのようにとらえなおしていくべきなのだろうか?
ろう者・難聴者である学生が入学してくることがある。また臨床現場で、ろう者・難聴者と関わる機会がある。①ろう者・難聴者が入学してきた時、どのようにサポートするのが望ましいか、教育に関するサポート体制を考えること、②来局者および患者がろう者・難聴者であった場合、どのように対応すればよいかを教育するにはどうしたらよいかを考えることを中心に討論したい。ろう者・難聴者の学生を受け入れてサポートした大学教員、ろう者の薬剤師、ろう者を支援している薬剤師をシンポジストに迎え、討論したい。

シンポジウム 13

8月25日(日)14:00~17:00

B会場:大講義室

【大学・大阪府薬剤師会・大阪府病院薬剤師会共同企画】
大学が主体となった薬剤師の質の向上を目指した実務実習の在り方を考える

オーガナイザー

伊藤 憲一郎(大阪府薬剤師会)
小佐野 博史(帝京大学薬学部 教授)

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本シンポジウム開催時には、改訂コア・カリキュラムに則った実務実習が開始されて半年が経ち、1期薬局実習、第2期病院実習が終了し、22週間の連続した薬学部の実務実習が一段落する。実習の評価を行うには、続く第2-3期、第3-4期を待って、1年間4期にわたる実務実習の成果を対象とすることが必須であるが、本シンポジウムでは、実習評価という点ではなく、改訂コア・カリキュラムに則った実務実習を、大学教員、現場の薬剤師がどのような目標(アウトカム)を描いて準備し、ここまでたどり着いたのかを、学会という環境を生かし、組織を背負った観点ではなく、一薬剤師、一教員としてあるべき姿を討論したい。
大学主体の実習とはどうあるべきか、薬局・病院における今後の国民のニーズに合った薬剤師育成には、大学時代に何を修得しておくべきか、薬局―病院の連携は如何にあるべきかを、実務実習という大学―薬局―病院が一体となった修学環境で効果的に進めるための薬学教育に関わる者の共有を図りたい。

シンポジウム 14

8月25日(日)14:00~17:00

C会場:講義B棟 B118

薬学教育における臨床研究の効果

オーガナイザー

杉浦 伸一(同志社女子大学薬学部 教授)

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薬剤師は誰かが提供したエビデンスを利用する専門職である。言い換えれば薬剤師が医療にエビデンスを提供しなければ、その存置価値が維持できないと考える。臨床研究は、薬剤師が医療にエビデンスを提供するための重要な手段であるが、薬剤師主体の臨床研究は少ないのが現状である。薬学部では薬学研究として研究期間が設定され、配属学生に対する研究教育が実施されているが、その多くは基礎研究であり臨床研究は殆んど実施されていない。また、講義科目も臨床研究の仕組みや法的な概略項目の説明、あるいはEvidence Based Medicineにおける臨床論文の読み方に焦点が当てられている。その結果、学術集会で発表される研究の多くは、研究目的とそれを解決する方法の吟味が不十分で、医療現場の疑問を解決するための適切なテーマであっても学術論文にするためには情報が不足する事例も散見される。

シンポジウム 15

8月25日(日)14:00~17:00

D会場:講義B棟 B107

薬学教育における質保証と合理的配慮
―アンプロフェッショナルの評価とインクルージョン―

オーガナイザー

菊池 千草(名古屋市立大学大学院薬学研究科 講師)
河田 興 (摂南大学薬学部 教授)

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薬剤師養成課程においてプロフェッショナルな職業教育は重要であるが、現在の準備教育の中で充分に行われているとはいい難い。その中で、薬学生は実務実習において初めて本当のプロフェッショナルについて自覚することが多い。実習においてプロフェッショナルな職業人との出会いは職業の選択や、生涯学習継続における大きな要因である。一方、実習におけるアンプロフェッショナルな学生の行動は教育上の大きな問題であり実習継続の可否に関わるだけでなく、実習指導者の精神的負担や当該学生の学習や進路にも大きな影響がある。医学教育の中ではアンプロフェッショナルと考えられる医学生の評価制度が一部で運用されている。京都大学では2014年から、「診療参加型臨床実習において、学生の行動を臨床現場で観察していて、特に医療安全の面から、このままでは将来患者の診療に関わらせることができないと考えられる学生」の事例について検討され、この問題について提起されている。このようなプロフェッショナル、アンプロフェッショナルという視点から薬学教育のあり方や質保証について議論を深める必要がある。
一方、インクルージョンという考え方が広まってきている。障がいを含む多様性を受け入れ、社会構成活動に参画する機会を持ち、それぞれの経験や能力、考え方が認められ活かされている状態である。そのための合理的配慮、つまり障がいを持つ人も障がいのない人と同じように教育や就業、その他社会生活に等しく参加できるよう、障がい特性に合わせておこなわれる配慮が求められている。当然、大学教育においてもこの両者を考えていかなくてはならない。
薬剤師を含む医療職の教育には、このプロフェッショナルという観点からの質保証とインクルージョンの観点からの合理的配慮の双方を考えなければならない。第2回大会から議論と情報の共有を重ね、この問題は既に現実に存在し、合理的配慮の判断や方法に困っている教員が多いこと。安易な結論を出したり、客観的な判断の基準を作ったりするのではなく、継続かつ慎重な議論により、薬剤師養成関係者による価値観の形成が重要であり、そのための場を持ち続けることが重要であることを確認した。本シンポジウム/WSでは、プロフェッショナル教育/アンプロフェッショナル評価で先行する医学教育における質保証とのバランス、合理的配慮に積極的に取り組み様々な事例に対応した他学部での事例を学び、薬剤師養成教育でのあり方を討議し共有を広めていく。

薬学教育研究ユニット交流フォーラム

8月25日(日)12:00~13:45

C会場:講義B棟 B118

薬学教育研究ユニット交流フォーラム
-教育コンピテンシーの全国測定を目指す-

オーガナイザー

安原 智久(摂南大学薬学部 准教授)
清水  忠(兵庫医療大学薬学部 准教授)
木下  淳(姫路獨協大学薬学部 准教授)

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昨年、昭和大学で行われた第3回日本薬学教育学会大会において、薬学教育研究ユニットに所属する教員の情報交換会として「薬学教育研究ユニット交流フォーラム」が開かれました。大学により教育研究ユニットの設置形態や活動内容等は異なりますが、相互理解を進め将来の連携を模索する機会として、組織に「薬学教育」の文字はなくとも、本フォーラムの開催にご賛同いただける方にお集まりいただきました。初回のフォーラムということもあり情報共有のみで時間がなくなる結果となりましたが、多くの大学から参加いただき、薬学教育研究ユニットの幅の広さ、可能性の深さを感じることが出来ました。第4回日本薬学教育学会大会での薬学教育研究ユニット交流フォーラムでは、連携への第一歩を踏み出すフォーラムへと発展させていきます。
普段より教育研究に携わるメンバーが集まる場でしか出来ない企画として、薬学教育における「教育コンピテンシーの全国での統一した測定」を目指した議論を考えています。薬学教育における教育研究やIRを見据えた教育成果の測定は6年制薬学教育が始まった時と比較して、質・量ともに飛躍的に高まりました。しかし、その高まりが新たな疑問を生んでいます。即ち、自大学だけの閉じた環境での測定では、その教育成果の評価に限界があるのではないか、と。薬学教育研究は、全国区での成果測定の検討を始める段階に来ているのかもしれません。もちろん、それでは今年度からやってみましょう、という簡単なものではありませんが、教育研究の文脈でこの様な取り組みを議論するに最もふさわしい場が、それぞれが所属や立ち位置にとらわれず、自由な議論ができる「学会」のもとで開催される「薬学教育研究ユニット交流フォーラム」ではないかと思います。ぜひ、「どのコンピテンシーを測定するのか」から始まる議論にご参加ください。組織に「薬学教育」の文字はなくとも、本フォーラムの開催にご賛同いただける皆様の参加を歓迎いたします。

参加資格:第4回日本薬学教育学会大会への参加者
※学部学生の参加は出来ません。(大学院生は可)
事前申込:不要(時間までに会場に直接お越しください)
その他 :お弁当を持参方式によるセルフランチョンフォーラムです。

ワークショップ

ワークショップの参加には事前に参加登録(申込)が必要となります。

→ワークショップの参加登録についてはこちら。

ワークショップ 1

8月24日(土)10:00~12:00

E会場:実験棟 Studio A

つなごう!大学・病院・薬局が協同で目指すべき卒前・卒後教育
~患者の身体所見に目を向け、聞こえない声に耳をかたむけてみよう!!~

オーガナイザー

津田 真弘(京都大学大学院 薬学研究科 統合薬学教育開発センター 講師)
段林 正明(大阪府済生会野江病院 薬剤科 主任)

概要を見る

近年、薬学教育に改訂モデル・コアカリキュラムが導入され、大学や医療現場の双方において教育内容の充実が図られているところである。学習成果基盤方教育に基づいた本カリキュラムの中には、「患者の身体所見を薬学的管理に活かすことができる」と学習アウトカムが明記されており、このような能力を有した薬剤師を育成するための環境整備が緊要であると考えられる。その対策として、多くの大学が学生教育の一環としてフィジカルアセスメントに関する講義や実習を取り入れ始めているのが、その内容は様々である。一方、臨床現場の薬剤師を対象としたフィジカルアセスメントに関する研修会も最近では数多く開催されているが、日常業務として実践している施設は非常に少ないのが現状である。このよう状況下で、大学での講義や実習は、学習アウトカムに到達するための最適な方策となっているのか、医療現場での実務実習や若手教育を充実したものにするために、指導する立場にある薬剤師に何が欠けているのかについて問い直す時期が来ていると考えられる。
そこで本ワークショップでは、薬学生をはじめ大学教員・病院薬剤師・保険薬局薬剤師と垣根を越えてご参加頂き、患者の状態把握を実際に経験することで、薬剤師が患者の身体所見を活用して治療に参画する方法論ついて情報共有できればと考えている。また、ワークショップ用に作成した評価表を用いて、指導者と参加者の各々が学習成果を判断することで、フィジカルアセスメントを含めたこのような領域での評価のあり方(落とし穴を含めて)についての意見交換を試みたい。
具体的な内容としては、日常業務で遭遇する実症例を題材にしてシミュレータを用いた臨床推論型研修、緩和医療領域での終末期症例の急激なバイタル変化等を実際に体験するシミュレーション研修という形式で開催する予定である。薬学生・大学教員・現場薬剤師間で情報を共有することは、より一層充実した薬学教育を展開していく上で非常に重要であるだけでなく、日常の薬剤師業務のレベルアップにも繋がることでもあり、今回の取り組みがその一助になればと願っている。

ワークショップ 2

8月24日(土)10:00~12:00

F会場:実験棟 Studio B

薬学・多職種連携教育で使える生命倫理・医療倫理の事例を作ろう!

オーガナイザー

中田 亜希子(東邦大学医学部 助教)
有田 悦子 (北里大学薬学部 准教授)
竹平 理恵子(北里大学薬学部 助教)
大林 真幸 (昭和大学薬学部 准教授)
高橋 瑞穂 (東邦大学薬学部 講師)

概要を見る

病棟業務や在宅医療が浸透し、患者に寄り添うことが求められるようになった薬剤師にとって、薬学部での生命倫理・医療倫理の教育は不可欠です。生命倫理・医療倫理は薬学モデル・コア・カリキュラムにも記載され、知識のみならず態度の修得も求められており、その教育手法として、事例検討を用いることが多いと思います。また、多職種連携教育においても、生命倫理・医療倫理は多様な視点を理解するのに有用なテーマとなりえます。しかし、倫理原則や価値観の多様性を感じられる事例を作成するノウハウは明示的ではなく、薬学の視点が含まれる事例を提示するのはなかなか難しいのではないでしょうか。
本ワークショップでは、「薬剤師のモラルディレンマ」の著者である静岡大学の松田純 特任教授にご登壇いただき、事例作成のポイント(倫理的な視点)を共有します。その後、小グループに分かれて、薬学や多職種連携教育の授業での使用を想定した倫理的ディレンマを含む事例(素案)を作成します。最後にグループの発表会を通して、作成したプロダクトを共有しますが、時間に限りがあるため、その後の深化やアレンジは各自が持ち帰って行っていただきたいと思います。基礎の教員、臨床の薬剤師など、ご興味のある方はどなたでもご参加ください。

ワークショップ 3

8月24日(土)15:00~18:00

E会場:実験棟 Studio A

質的研究におけるテキストデータのコーディング入門

オーガナイザー

今福 輪太郎(岐阜大学医学教育開発研究センター 講師)
角山 香織 (大阪薬科大学臨床薬学教育研究センター 准教授)
倉田 里穂 (大阪薬科大学薬学教育研究センター 助教)

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アンケートやインタビューから得られたデータは薬学教育研究にとって重要なデータであり、それをどのように解析するかが研究の成否を決めるといっても過言ではありません。そのためには、先ず、何が知りたいのか、何を検証したいのかといった観点から十分に検討された研究計画を立てる必要があります。そのうえで、対象者とその数、質問内容を十分に吟味しなければなりません。ところが現状を鑑みると、質問を精査せずにデータを得ることを先行させ、データ取得後に解析法を考えて分析されたであろうと推測できる報告例も散見されます。また、解析も単純に集計を行っているだけであったり、質問項目間で相関を見ているだけであったりする報告も見受けられます。さらに、自由記述やインタビューに関しては、筆者の主観に基づいて抜粋された内容のみが提示されているケースもあります。そこで本シンポジウムでは、アンケートやインタビューから得られたデータをより深く解析する方法について、検証したい仮説に適した解析とは何か、また、それらの解析を行うために必要な研究計画とは何かを考えていきたいと思います。今回は、種々ある解析手法のうち、因子分析、クラスター分析、テキストマイニング、質的研究に関して、それぞれの方法における研究計画、それらの方法で何が明らかとなるのか、解析法の概要等についての解説と実際に解析を行った事例を紹介してもらいます。その後、全体でのパネルディスカッションを予定しています。
このシンポジウムを通じて、参加された皆様のアンケートやインタビューデータの解析がより深いものになっていくことを期待しています。

ワークショップ 4

8月25日(日)9:30~11:30

E会場:実験棟 Studio A

「薬学教育研究・事始め」 Part.4
薬学教育編集委員会企画ワークショップ
「薬剤師が考える教育研究のデザイン入門」

オーガナイザー

有田 悦子 (北里大学薬学部 教授)
亀井 美和子(日本大学薬学部 教授)
松野 純男 (近畿大学薬学部 教授)

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「研究をより身近なモノにしたい」、という日本薬学教育学会編集委員会の熱い思いがこもったワークショップです。ただ思い付きのままアンケートを取って、自分の気に入った意見や、期待外れの答えに一喜一憂するのではなく、日常の業務などで教育的観点で「なぜだろう」、「たぶんそうだろう」、「はっきりさせたい」、などの思いをエビデンスとして明らかにし、みんなに伝えたい、そんな気持ちを少しでもこのワークショップで支援できればと思います。
これからは、実習生や新人薬剤師への教育はもちろん、共に働く仲間同士でも、感性や経験だけでなく、エビデンスに基づく教育(Evidence-based Education, EBE)が重要な時代になると思います。皆さんの経験や鋭い観察力から、日ごろ感じている問題点や、うまくいったことをリサーチクエスチョンに繋げて適切な方法で解析し、解決し、より良い環境の構築の一助になれなと思います。
このワークショップは、教育研究の裾野を広げ、現場で働く薬剤師さんにも身近なものとして感じて頂こうというポリシーで、学会設立時から継続的な企画して4年目です。編集委員会委員がファシリテーターとなり、講義とグループワークを組合せて進行します。薬局、病院に勤務の方、大学教員など、どなたでもこれから教育研究を始めよう、教育研究に興味がある、という方の積極的な参加をお待ちしています。ぜひ、志を同じくする仲間と楽しく話し合いながら薬学教育への一歩を踏み出しましょう。

ワークショップ 5

8月25日(日)9:30~11:30

F会場:実験棟 Studio B

学生企画!化学構造式の臨床応用を意識づける授業をデザインしてみよう!

オーガナイザー

中澤 公揮(兵庫医療大学薬学部6年)
藤原 正規(兵庫医療大学薬学部5年)
大原 隆司(スギ薬局 薬剤師)

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近年、基礎薬学を臨床に活かせる統合的教育の重要性が指摘されている。しかし、5年次の長期実務実習を終了した薬系3大学の6年次生に対するアンケート調査によれば、基礎薬学の知識を実務実習中に活用できたと回答した学生は20%にも満たなかったとの報告がある。その要因として、大学教育だけでなく薬剤師が有機化学を含む基礎薬学を臨床に結び付けられていない可能性を指摘している。我々の薬剤師に対する調査においても、薬剤師が臨床上の問題解決に有機化学といった基礎薬学を活用していないことを明らかにした。このため、大学教育だけでなく生涯研修・施設内研修において、基礎薬学を臨床に活かすための学習機会を提供する必要がある。
本ワークショップは学生企画として、有機化学の中でも化学構造式を題材として、基礎薬学の臨床応用を意識づける授業や生涯研修について受講者同士の議論によりデザインすることを目的とする。
具体的な内容は、薬剤師が有機化学を活かせない問題点についての我々のデータを提示する(10分)。その後、1) 医薬品の構造類似性とアレルギー、2) 医薬品の溶解性と配合変化、3) 医薬品の代謝と副作用予測の3つのテーマを提示する(10分)。受講者は、提示された3テーマについて4~5名のグループに分かれ、有機化学の臨床応用を意識づける授業の内容についてグループで検討・立案する(70分)。グループ討議後、立案した授業内容の発表および模擬授業を行う(20分)。最後に授業デザインの参考事例として、既に我々が実施している構造式ワークショップの内容を紹介してフィードバックを行う(10分)ことを予定しているが、申し込み時に受講予定者から意見を募り、内容を適宜変更することも考えている。
大学関係者だけでなく、社内・施設研修に取り組みたいと考えている薬剤師、自分たちで授業デザインを考えてみたいという薬学生の積極的な参加を希望する。

ワークショップ 6

8月25日(日)14:00~17:00

E会場:実験棟 Studio A

薬学生のためのプライマリケア教育

オーガナイザー

鷹野 正興(神戸学院大学・薬学部・教授)
茂木 恒俊(久留米大学医療センター・総合診療科・助教)
土肥 直樹(相模原市国保内郷診療所 所長)

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現在の薬学教育において「問題解決能力」を身につけた薬剤師を養成することは、重要な目標の一つである。しかし、現状の薬学教育は知識偏重で、薬学生の「問題解決能力の醸成」については充分に機能しているとは考えにくい。薬学教育モデル・コアカリキュラム(平成25年度改訂版)の中で、42の症候・病態における臨床推論に加えてフィジカルアセスメントの理解そしてプライマリケア、セルフメディケーションの実践といった、患者を目の前にして薬剤師がどのように考えるかといった判断能力の醸成が謳われているが、多くの教育現場である薬学部において、臨床教育における充分なキャリアを積んだ教員は不足し、プログラムとして充実しているとは言いがたい。
一方、医学教育においては、医学生や研修医、プライマリケアの現場で従事する薬剤師など十分な医療器材がない状況でも的確に患者の全身状態を把握し、判断する教育的取り組みが行われている。我々は日本プライマリ・ケア連合学会が開催している小グループ学習形式の急変時の初期対応プログラムを2018年と19年に薬学生を対象として開催し、薬学生が患者の全身状態やバイタルをシナリオに基づき適切に判断することで、初期対応の判断力を身につけるアクティブラーニングを行ってきた。この研修会を通して従来の薬剤師の固定観念であった「患者さんに触れてはいけない」という考え方から、薬剤師も医師や看護師と医療の現場で共に患者に関わる一員として、患者から情報収集し、医療連携に関わる必要があることを認識してもらうことを意識して教えている。実際に学習姿勢が能動的に変化している。今回、本ワークショップにおいて、参加者の皆さんに、プライマリケアのシミュレーション教育が、問題解決能力の醸成へと繋がる意義を持つ事を認識して頂ければ、薬学教育の大きな変化に繋がるのではと期待している。
本ワークショップでは、実際に行った急変時の初期対応プログラムを参加者に実体験して頂き、楽しみながら、問題解決能力の醸成、能動的な学習姿勢へと至る道筋を実感して頂きたい。

ワークショップ 7

8月25日(日)14:00~17:00

F会場:実験棟 Studio B

TBLを用いたEBM教育に取り組んでみよう!
~学部教育・生涯教育で活用できるEBM学習方略の紹介を交えて~

オーガナイザー

上田 昌宏(摂南大学薬学部 特任助教)
高垣 伸匡(千春会病院 消化器内科部長/地域連携室室長)
倉田 香織(東京薬科大学 助手)
清水 忠 (兵庫医療大学薬学部 准教授)

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EBMは医療者の行動・思考様式の一つであり、医療現場だけでなく臨床疫学や教育手法など多方面で活用されている。薬学教育モデル・コアカリキュラムにおいて、原著論文の質の評価といったEBMの実践の項目が設定され、薬剤師は、原著論文の質を評価し、個々の患者に適した薬物治療に貢献することが求められている。2015年時点での薬系大学でのEBM教育に関する調査報告では、講義が中心で、 アクティブラーニングの手法を取り入れた授業はほとんど行われていない。そこで、薬系大学の一部で取り入れられているTBL(Team-based learning)をEBMに応用した事例を本ワークショップで行い、EBM学習の普及を目的としている。さらに、大学教育や生涯教育に活かせるように、TBL以外のEBM学習方略デザインや題材の設定方法を含んだEBM学習事例を紹介する。ワークョップの具体的な内容は、はじめにTBLを用いて、情報の検索(Step2)を除いたEBMの実践を経験すること、およびEBM教育事例の紹介としている。TBLの学習方略は、ワークショップ前に事前学習として課題論文を読み、当日は事前学習の確認として、課題論文を批判的吟味する際に重要なポイントを個人テスト(iRAT)およびグループテスト(gRAT)を行う。その後、解説講義を行い、テストで不明だった点を解消し、応用課題として仮想症例について、課題論文をどのように活用するかチームで議論を進める。最後に、グループ同士で情報共有を行い、最善の医療を提供できる方法を模索するようフィードバックを行う手順でTBLを経験する。EBM教育事例の紹介では、学部教育や卒後教育での授業あるいはワークショップの学習方略のデザイン方法や、学習テーマや課題論文の設定方法等の紹介を交えながら進めていく。

一般演題

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