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2018.06.28
【論文掲載】高分子化学分野 大久保忠恭教授らの論文が、米国科学アカデミー紀要「PNAS」に掲載されました。

概要
大阪大学大学院薬学研究科高分子化学分野の沖大也大学院生、河原一樹助教、吉田卓也准教授、大久保忠恭教授らの研究グループは、腸管毒素原性大腸菌が線毛と分泌タンパク質を利用してヒト腸管に付着する仕組みを世界で初めて明らかにしました。腸管毒素原性大腸菌は、旅行者や発展途上国で生活する人々の下痢症の原因菌として知られており、世界保健機関(WHO)の統計では、年間約30~50万人の死者を出す深刻な問題となっています。腸管毒素原性大腸菌は、ヒトに感染するための最も重要なステップとして腸管に付着する必要があり、線毛と呼ばれる菌体上に存在する糸状の構造物が関与すると考えられてきましたが、その詳しい付着メカニズムは不明でした。驚いたことに、今回得られた研究成果から、腸管毒素原性大腸菌の付着には線毛だけではなく、腸管に放出する分泌タンパク質も必要であることを発見しました。さらに、線毛の先端にのみ存在するタンパク質と分泌タンパク質の結合を原子レベルで解明することで、線毛とヒト腸管上皮の間を分泌タンパク質が“橋掛け”する、付着メカニズムを明らかにしました。これらの成果は、腸管毒素原性大腸菌の新規ワクチン開発につながるだけでなく、付着に関与するタンパク質の結合を阻害する抗付着剤開発につながる可能性があります。

URLや発表媒体の情報など
本研究成果は、2018年6月26日(火)午前4時(日本時間)に米国科学アカデミー紀要「PNAS」(オンライン)に掲載されました。

 また、本研究は、大阪大学微生物病研究所、大阪大学工学研究科、京都大学生存圏研究所との共同研究として行われました。

新聞掲載:
朝日新聞 2018年6月30日朝刊 6面 総合
日本経済新聞 2018年6月30日朝刊 42面 社会

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