概要
日本薬学会第137年会(平成29年3月24日~27日)
「腫瘍溶解性ウイルスであるレオウイルスがHIF-1αの発現量を低下させるメカニズムの解明」
学生優秀発表賞 (口頭発表の部)
宝谷 拓磨(分子生物学分野 博士後期課程1年)
腫瘍溶解性ウイルスであるレオウイルスは、腫瘍細胞特異的に感染・増殖し細胞死を誘導することから新規抗がん剤として期待されています。レオウイルスの新たな機能として低酸素誘導因子HIF-1αの発現量を低下させることが報告されました。HIF-1αは腫瘍の増悪化に関与していることから、HIF-1αの発現低下はレオウイルスによる抗腫瘍効果に寄与しているものと考えられます。今回我々は、マウス皮下腫瘍においてもレオウイルスによりHIF-1αの発現量低下が誘導されること、レオウイルス由来の二本鎖RNAであるレオウイルスゲノムがHIF-1αの発現量低下に大きな役割を果たしていることを明らかとし、このたびの受賞に至りました。