・概要
第27回日本DDS学会学術集会(平成23年6 月10日)
「注射型DNAワクチンによる腸管粘膜免疫活性化に関する検討」
優秀発表者賞 庄司 正樹(分子生物学分野の博士後期課程3年)
新興・再興感染症の多くは粘膜を初期感染部位とし、その後全身へと広がる粘膜感染症のため、これらに対する有効なワクチン開発には全身と粘膜両方に免疫反応を誘導させることが重要です。しかし一般に、従来の注射型ワクチンは強い抗原特異的な全身免疫を誘導するものの、粘膜免疫は誘導できないとされています。私どもは、マウスに抗原をコードしたプラスミドDNA(DNAワクチン)をin vivoエレクトロポレーション法により導入したところ、全身だけでなく、腸管粘膜部位にも抗原特異的な細胞性免疫と液性免疫を同時に誘導できることを見出しました。今後はこの現象のメカニズム解明を行い、注射型ワクチンでも粘膜免疫を誘導できるようなアジュバント開発に繋げていきたいと考えています。