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2010.09.27
【論文掲載】 分子生物学分野の水口裕之教授の研究成果が「米科学アカデミー紀要」に掲載(H22年9月20日、電子版)

Yamaguchi T., Kawabata K., Kouyama E., Ishii K.J., Katayama K., Suzuki T., Kurachi S., Sakurai F., Akira S., Mizuguchi H.
Induction of type I interferon by adenovirus-encoded small RNAs.

(概要)遺伝子治療の進展に最も重要な研究課題は、治療用遺伝子を効率よく安全に細胞内に送達するための運び屋(ベクター)の開発である。アデノウイルス(Ad)ベクターは、既存のベクターの中では最も遺伝子導入効率に優れており、遺伝子治療用ベクターとして汎用されている。しかし、Adベクターを生体内に投与した場合に生じる免疫応答が副作用として問題となっている。現在までに、Adベクターによって免疫応答を惹起させる細胞内のシグナル伝達機構、およびウイルス側の原因因子など詳細なメカニズムについてはほとんど明らかになっていない。今回我々は、Adゲノムから転写される小分子RNA(VA-RNA)が細胞質内で自然免疫受容体に認識され、その後インターフェロンの産生を誘導することをはじめて明らかにした。今後は、VA-RNA欠損Adベクターの大量調製法の開発を行い、副作用の少ないより安全なAdベクターの開発を試みる予定である。また、本研究はVA-RNAを発現させることにより免疫応答をさらに増強することが可能なことも示しており、強力なワクチンの開発のためのアジュバンド開発にもつながることが期待される。

筆頭著者の山口朋子さん(H22年3月まで分子生物学分野の博士課程在籍。現在、独立行政法人 医薬基盤研究所 幹細胞制御プロジェクト プロジェクト研究員)と水口裕之教授
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