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2010.07.06
【受賞】 薬剤学分野の博士2年吉川舞さん・博士1年成松翔伍くんが第26回日本DDS学会学術集会にて優秀発表者賞を受賞

Immuno-conjugate製剤における抗体の細胞内侵入活性と抗腫瘍効果の連関解析: 吉川舞

近年、標的分子を特異的に認識することのできる抗体に、抗癌剤の直接的な細胞傷害性を付与した新たな抗体医薬、イムノコンジュゲート製剤が上市されました。本製剤は、従来の抗癌剤抵抗性の患者に対しても顕著な効果を示すなど、次世代型の抗体医薬として注目されています。しかし、多くの抗癌剤は単に癌細胞に結合するだけでなく、細胞内に取り込まれなければ活性を発揮することができません。従って、私たちは本製剤の開発には、癌細胞表面の標的分子に結合した後に、細胞内に積極的に取り込まれる特殊な抗体、「細胞内侵入抗体」の単離が重要であると考えています。本学会では、私たちがこれまで上記のコンセプトのもと、独自に単離してきた細胞内取り込み効率が異なる二つの抗体を用い、担癌マウスに対する抗腫瘍効果を評価することで、これまで世界的にもあまり注目されていなかった抗体の細胞内侵入活性こそがイムノコンジュゲート製剤の抗癌効果のキーとなりうることを明らかにしました。今後、これらの研究成果を生かし、より優れたイムノコンジュゲート製剤を開発することで、癌で苦しむ多くのヒトの命が救われることを願っています。


T細胞受容体の新規ターゲティング分子への適用を目指した検討: 成松翔伍

私は、免疫系に必須の細胞であるT細胞の表面に発現しているT細胞受容体(TCR)に関する研究を行っています。TCRは、「細胞内に存在する」薬の標的蛋白質に特異的に結合することができます。現在、「細胞外に存在する」標的蛋白質を狙い撃ちにする抗体医薬は実用化に至っていますが、「細胞内」を狙い撃ちにするものはありません。従って、TCRは、抗体とは違う新しい薬の候補分子となり得ると考えられます。しかし、TCRは結合力が非常に弱いため、未だ創薬に結びついた例は存在しません。そこで私は本学会において、結合力が大幅に増大した人工TCRを作り出す技術について報告し、その研究成果によって第26回日本DDS学会にて優秀発表者賞を受賞しました。

表彰式にて。(左)成松翔伍くん、(右)吉川舞さん
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