大阪大学大学院薬学研究科
Graduate school and school of pharmaceutical sciences
応用環境生物学分野(平田研究室)
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漢方薬は西洋医薬では治せない病気に有効であることが数多く報告されるようになってきました.そのため世界的に需要が増えています.

 漢方薬の材料となる生薬は野生で育ったものを採取するものが多く,様々な成分の含量が揃った材料を大量に調達するのは難しいです.また日本は生薬材料の多くを海外からの輸入に頼っていますが,資源が枯渇する等の理由により生産国で輸出の規制が行われ,質の良い材料が不足してきています.日本国内で生薬の栽培化も進められていますが,新しい栽培品が従来用いられてきた野生品と薬効が同じとみなせるか問題になることがあります.

 つまり,生薬・漢方薬をこれまでと同様に,あるいはこれまで以上に有効に活用していくためには,生薬・漢方薬の品質評価・管理のレベルをさらに向上させていくことが必要です.

阪大薬用植物園 ウラルカンゾウ

日本で使用される生薬および漢方薬は「日本薬局方」の規格に合うかどうか生薬卸業者,製薬会社が試験を行っています.その内容は

 ・外部形態や (鏡検による) 内部形態の観察による基原植物の鑑定

 ・異物・農薬・重金属の混入を確認する純度試験

 ・乾燥減量

 ・エキス・精油含量

 ・基原植物に特徴的な成分 (品質管理指標成分) を解析する確認試験,定量試験

などです.

 さらに生薬卸業者,製薬会社は独自に規格を追加し,より質の高い生薬・漢方薬を販売・供給ができるよう技術開発がなされています.

 しかし,基原植物に特徴的な成分が,その生薬材料を含む漢方薬の薬効にどのように寄与しているのか,その詳しいメカニズムが明らかになっているものは多くありません.そもそも特徴的とされている成分が本当に薬効に寄与しているか明らかになっていないものも多いのです.さらに漢方薬の薬効は生薬に含まれる様々な成分の相互作用によって発揮されると考えられていますが,それを科学的に証明した研究もほとんどありません.

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メタボローム解析を用いた生薬・漢方薬の品質評価法の開発

無菌培養中のウラルカンゾウ

阪大薬用植物園で栽培した

ウラルカンゾウ

そこで我々は生薬や漢方薬のエキスに含まれるメタボロームを液体クロマトグラフィー/質量分析 (LC/MS) という手法を用いて解析し,さらに同じエキスを培養細胞や動物に処理してその反応 (生物活性) を見たり,含有成分が体内にどのくらい取り込まれたか血中濃度 (薬物動態) を測定したりします.そしてメタボロームのデータと生物活性試験や薬物動態試験のデータとを相関づけることにより,生薬・漢方薬の薬効との関係を明らかにしていく研究を進めています.

 例えば,

 ・活性の強いエキスには,どの成分とどの成分と・・・が多く含まれている.

 ・成分Aの含量が高いと活性が強いが,成分Bの含量が高くなると活性が弱くなっていく.

 ・成分Cは体内に1時間程度で吸収されるが,成分Dが含まれると2~3時間程度まで遅くなる.

などといった情報が得られるようになります.

 さらに,

 ・成分AがXX mg, 成分Bが●● mg, 成分Cが▲▲ mg, 成分Dが■■ mg含まれると,これくら   

  いの生物活性が発揮される,

というように成分組成から薬効を予測できるようになるかもしれません.

カンゾウのエキスをLC/MSで分析すると,左図のように,指標成分であるグリチルリチン酸 (glycyrrhizinic acid) だけでなく様々な成分が検出できます.

ある生物,あるいは生物由来の材料  (食品,生薬) に含まれる低分子量有機化合物の総体 (全体) をメタボロームといいます.生薬あるいは漢方薬に含まれる様々な成分を網羅的に,定量的に取り扱うことができるメタボローム解析技術は,生薬・漢方薬がどのような機構で薬効を発揮するのか (メカニズム解明),そして,目の前にある生薬・漢方薬がきっちり薬効を示すのか (品質評価),といったことを解析するために極めて有効であると考えられます.

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