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探索源となる海洋生物の採集

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海洋は医薬シーズの宝庫


  底生海洋生物である海綿やソフトコーラルは、石サンゴとともにサンゴ礁域に多く生息している生物です。これらは棘や固い殻などの物理的防御手段を持たないにも関わらず、比較的寿命が長く他の生物に捕食されることも少ないことが知られています。すなわち陸上とは異なる環境で生育している海洋生物は、陸上生物とは異なった代謝系をその進化の過程で発達させ、低分子化合物を産生することによる化学的防御機構を身につけたと予想されます。

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 また近年、これら底生海洋生物に共生する微生物、海砂、海藻等に付着する微生物が、陸棲微生物とは異なる二次代謝産物を産生することも報告されており、海洋由来の活性天然物は医薬シーズとして非常に注目されています。実際に海洋生物由来の化合物数の推移を、ニュージーランド、カンタベリー大学のJ. W. Blunt博士とM. H. G. Munro博士が構築したデータベースMarinlitにより調べると、1970年では48化合物しか登録されていなかったものが、年々その登録数は増加し、1998年には1,000化合物を越え、近年も毎年800から1,000化合物が新たに登録されています。実際にここ数年、海洋生物由来の化合物が、がん等の難治性疾患の治療薬として臨床で用いられるようになっており、医薬シーズ探索源としての有用性がさらに高まってきています。

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底生海洋生物の採集と海洋微生物の分離


 私たちの研究グループは、インドネシアのランプン大学理学部、ディポネゴロ大学海洋実験所と共同で、サンゴ礁域のスキューバダイビングによる広範な探索を行い、底生海洋生物の水中写真、生息状況の調査と生物資料の採集を行っています。また生物資料については乾燥処理後、抽出エキスとして、その底生海洋生物の写真とともにライブラリー化を進めています。さらに、海洋生物や海洋生物採集時に同時に採取した海底土壌などから、海洋微生物の分離も行っており、それら微生物の培養抽出物のライブラリー化も行っています。


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