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学生インタビュー

先進の“研究力”に裏付けされた
10年一貫教育の「先進研究コース」で
免疫を学び、創薬研究者を目指す

薬学部薬学科 先進研究コース(3年)

難波 龍之 さん

所属・学年は 2022/8 現在の情報です

■大阪大学薬学部へ進学した理由

理科の全てを学べ、人の健康に寄与できる学問

小学生の頃から理科が好きで、物理、化学、生物の全ての科目を学ぶことができる学部に進学したいと考えていました。なぜ理科が好きかというと元々自分で手を動かすのが好きで、実験が楽しかったからです。教科書に載っていることを確かめられたり、さらに興味が広がって次の勉強に進めるところが実験の面白さです。
理科は理学部や農学部など他の学部でも学べますが、薬学は多くの人の健康に寄与できる学問であり、将来的に自分が発見したことが多くの人の役に立つかもしれません。
大阪大学を志望したのは、出身地にあって幼いころから憧れが強かったことと、多数の学部がある総合大学で他の学問領域にも触れる機会が得られるから。幼い頃に喘息やアレルギーで苦しんだ経験から興味を持った免疫学が盛んな大学であったことも決め手となりました。

■大学入学後の印象の違い

“研究力”に優れた大学であると実感

「先進研究コース」があることは受験の段階で知りました。大学院博士課程を含む10年一貫による研究教育を行う大阪大学薬学部特有のコースです。そういう先進的なコースがあること自体、“研究力”に優れた大学であると感じていましたが、入学して確信に変わりました。
先進研究コースの学生を対象に行われた授業や研究、普段の研究室の活動の中で博士課程の先輩から研究について指導して頂く機会もあり、薬学部全体として研究に主眼を置いた教育がなされていることを日々実感しています。
与えられたテーマについて調べようと主だった論文を読んでいても、その著者が指導してくれている先生であることも珍しくありません。配属された研究室には最先端の研究をしたくて他大学から進学してきたという方もいますし、卒業生の方々の講演を聞いてもその分野の第一線で活躍されていることが伝わってきます。ここが日本の薬学研究の拠点のひとつであることを実感しています。

■おすすめの授業

初の研究に取り組んだ1年生の「自主研究」

印象深いのは1年生のときの「自主研究」です。先進研究コースの1年生がチームで取り組む1番最初の研究で、私たちはスパイスが持つ抗菌作用を分析しました。コロナ禍の中、リモートで打合せをしながら数多くのスクリーニングをしなければならず、苦労や失敗を重ねながらも研究発表にこぎ着けたことがいい思い出になっています。
座学では、元々興味を持っていた「免疫学」が面白かったですね。漠然としか知らなかった免疫の仕組みを基礎から学ぶことでさらに関心が高まり、免疫応答の制御を研究する研究室の配属につながりました。
私のように手を動かすことが好きな人には2年生の「基礎実習」は楽しい授業になるでしょう。座学で学ぶ薬理学や分析化学、薬物動態学などにまつわる実験に実際に取り組むことで、基本的な手技を学ぶと共に、その原理や結果を検討します。教科書の意味をより深く理解することができ、講義への興味が一層深まりました。

■薬学部のサークルやイベント事に関して

多様な人と関わることで視野を広げられる

大阪大学には文学部や経済学部、理学部や工学部などたくさんの学部があり、多様な背景や考えを持った人たちが学んでいます。薬学部の中だけ、あるいは医療系学部の中だけにいたのでは、そうした人たちと出会わないまま卒業してしまいます。せっかく大阪大学に入学したのにそれではもったいないと思い、私は全学のイベントを企画するサークルに入りました。普段豊中キャンパスに行く機会があまりないのでとてもよいリフレッシュになります。コロナ禍で人の集まるイベントが制約される中、何ができるかアイデアを出し、仲間が力を合わせて運営するのは、勉強や研究とは異なる達成感があり、いい経験になりました。
先進研究コースは学生生活が10年間と長い期間になります。だからこそ私は人と関わり自分の視野を広げられる機会を大事にするように心掛けています。

■将来目指しているもの

薬剤師博士という特性を活かして社会の健康増進に貢献

6年制の薬学部を卒業して博士号を取得する「薬剤師博士」はまだまだその数が少ないですが、薬全般の知識はもちろん臨床にも通じる薬剤師としての視点は研究者にとって大きなアドバンテージになります。薬剤師博士という特性を活かして自分に貢献できることを見つけたいと思います。
今のところ医薬品企業などで創薬研究をすることを目標にしていますが、今後の研究如何によってはアカデミアに進むことも考えています。また、「薬食同源」という言葉があるように、医薬品のみにとらわれずに食品や化粧品のような一見すると薬とは関係ないように見えるけれど、薬学の領域であるような分野にも興味を持っています。幅広い選択肢の中から、社会の健康増進に関わるような研究ができる将来を選択していきたいと思います。

自粛続きでしたが、大学生らしいこともしたいと、コロナが少しおさまった時期に友人と九州に旅行をしてきました。普段と違う世界に触れるのは刺激的であり、良い気分転換になります。忙しくても計画的に動けば、勉強・研究とサークル活動は両立可能だし、アルバイトも旅行もできます。

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